賞金ランキング制が、ツアーとしての関心を高める
昨年のステップ・アップ・ツアーは、過去最多の21試合が行われ、賞金女王には初めて、翌シーズン前半のレギュラーツアー出場権が与えられることが、決まっていた。さらに、賞金ランキング5位まではサードQT免除、10位までは、セカンドQT免除の特典がある(ちなみに優勝者にもセカンドQT免除の権利がある)。
⇒ ステップ・アップ・ツアー 賞金ランキング制度って?
ステップ・アップ・ツアーは、レギュラーツアーの出場資格を持たない選手や新人プロたちを対象に、試合経験を積むために生まれた試合だ。出場選手たちの真の目標は、QTを勝ち上がり、レギュラーツアーの出場権を手にすること。だからこそ、10位以内のQT免除の権利は、想像以上に大きいようだ。
最終戦『京都レディースオープン』で単独4位に入り、約6万円という僅差で賞金ランキング10位に滑り込んだ篠原まりあは、シーズン中、怪我に苦しんだこともあり、「セカンド免除を受けられるか、受けられないかは全然違う。調整する猶予が与えられるし、万全の準備を整えることができる」とその意義を強調していた。
この賞金ランキング制の導入により、選手たちは、その試合で優勝を目指すのはもちろんだが、年間通して安定した成績をあげることが求められ、よりツアーとしての興味が大きくなったと言える。今季、それを象徴するのが、ともに3勝をあげて、賞金女王争いをリードした、谷河枝里子と福山恵梨だ。
二人の賞金額は、最終的に女王となった谷河が、約2050万円、2位の福山も1900万円を超え、レギュラーツアーのシード選手に匹敵するほどの賞金を稼いだ。2016年賞金額トップは山城奈々の約1117万円で、初めて一千万円を超えた。2015年は、柏原明日架の約693万円。試合数が増え、賞金ランキングへのモチベーションの高まりもあって、獲得賞金額も大きく増えたわけだ。
賞金女王レースも賞金額以上に白熱したものだった。開幕戦『ラシンク・ニンジニア/RKBレディース』で、まず福山が優勝。4戦目『九州みらい建設グループレディース』を谷河が制した。7試合目の『ダイクレレディース』で福山が勝てば、翌週の『日医工女子オープン』で、谷河が優勝するなど、シーズン序盤から、まさに一進一退の攻防が展開された。これは、前年までのステップ・アップ・ツアーにはなかったことだ。一年を通して、ツアーとしてのストーリーを彼女たちが中心となって生み出していた。
賞金女王となった谷河は、かの名門、鳴尾GCに所属して10年。プレーが非常に早く、アプローチとパッティングの技術が高いのも納得だ。レギュラー参戦は簡単ではないだろうが、ステップ・アップ・ツアーの代表として、持ち味の小気味いいスタイルを発揮して欲しい。
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