<JLPGA新人戦 加賀電子カップ 初日◇9日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6525ヤード・パー72>
日本女子プロゴルフ協会(JLPGA)のプロテスト合格者が集い、一生に一度のタイトルをかけて雌雄を決する恒例の新人戦。今年のプロテストでトップ合格を果たした現役高校生の18歳・伊藤愛華(埼玉栄高3年)が、98期生“NO.1”の座をかけて挑む。
初挑戦ながら見事合格を果たした伊藤に、今年を漢字一文字で表してもらった。少し悩みながら色紙に書いたのは『思』の文字だった。
「プロテストが終わるまで、本当に長く感じました。その週に成績を出さないと受からないし、直前で調子が良くてもいきなり悪くなるかもしれない。練習だって“これをしていれば絶対うまくなる”という保証はない。足りない部分を見つけて『この練習がいいかな…』と試したり、メンタル面は先生に相談したり。今年は何をするにも意味をしっかり考えながら取り組んでいました。いろいろと“思う”ことが多かった一年です」
伊藤は以前から、ラウンド後や練習後に気づきや課題をノートに欠かさず書きこんできた。人生初のプロテスト合格を目指した今年は、これまで以上に「考える時間」が増えたと明かす。
「日常生活は淡々とマイペースなんですけど、ゴルフに関しては先のことまで考えて行動します。オフがないと頑張れないタイプなので、この日に休むか、別の日に休むかで“どっちのほうが(試合に)いい影響が出るかな”って考えるんです。あまり変わらないかもしれないけど、自分の中で納得したほうがその後の気持ちが違う。試合前の準備でも『きょうはパターかな、アプローチかな』『最近はこっちが多かったから、きょうはこっちをやろう』とか、本当に何をするにも考えています」と明かした。
そして迎える“一生に一度”の新人戦。「基本は目の前の自分のプレーに集中して、その結果、優勝できたらいいなと思っています」。2度目の98期生トップの座を狙う18歳。思考を重ねて歩んできた一年の成果を、この舞台で発揮したい。(文・高木彩音)
