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ツアーで唯一! 26年モノの“激シブパター”を使う三ヶ島かな「ぜひ打ってほしいです」

かつて佐藤信人が愛用!? 三ヶ島かなが“いにしえ”のパターを手に大逆転を狙う。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2023年11月10日 08時30分

ミズノが手掛けた年代物のパターを手に笑顔の三ヶ島かな
ミズノが手掛けた年代物のパターを手に笑顔の三ヶ島かな (撮影:福田文平)
入念にパッティングを繰り返す三ヶ島かな
繰り返しパッティングを行うが、そこには見慣れないパターが
絶版となったミズノプロRH-63を使い今週を戦う
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入念にパッティングを繰り返す三ヶ島かな (撮影:福田文平)

<伊藤園レディス 事前情報◇9日◇グレートアイランド倶楽部(千葉県)◇6741ヤード・パー72>

開幕前の練習グリーンを見ていると、選手たちはそれぞれが選んだ思い思いのパターを握り、真剣にボールを転がしている。そのなかでひときわ異彩を放つ選手がいた。三ヶ島かなだ。よく見ると、ミズノのマークがついた珍しいパターで調整を進めている。

三ヶ島かなが使う26年モノの“激シブパター”に接近【写真】

これは1997年に市販もされたブレード型の『ミズノプロ RH-63』というパター。ツアー通算16勝の鈴木規夫が監修し、一本一本丁寧に削り出された逸品だ。かつてはツアー通算9勝を誇る男子の佐藤信人もエースとして使用。ともに何度も優勝を経験し、全盛期を支えていた。

そんなクラシカルなパターを、どうして三ヶ島が使用しているのだろうか? 発売前からツアーには投入されていたこともあり、96年生まれの27歳にとって“年上”ともいえるパターだが…。

「もともと、いろいろ古いパターを、ライ角をいじったりして試していたんです。キャディさんが持って来てくれた手嶋多一さんが昔使っていたスコッティ・キャメロンとか」。そのなかでミズノの担当者が、『保管しているもので、“もっとやばい”のがあるよ』と言って、今年の日本女子オープンの会場で渡してくれたのが、この『ミズノプロ RH-63』だった。

パターも他のクラブ同様、年々その性能が上がっていっている。“時代を逆行”するような動きではあるが、感触がいいから投入したというのは当然ながら大前提だ。「ぜひ打ってほしいです(笑)。転がりがいいんです。ボールが出た直後からジャンプせず、順回転して進んでいく感じ。パターだけど重い球が打てるし、出球が順回転しているのが見えるから、それが気に入りました」。こうしてもらってすぐ、10月から使用を開始。「全部真っ黒のパターを求めていた」ことや、「めっちゃ渋い!」というその“味のある顔”も、背中を押した要因だ。

三ヶ島にとって今年は苦難の一年だった。今年3月には左ヒザのじん帯を損傷。半年ほどテーピングをガッチリ巻きながらプレーを続けてきた。そのなかでなかなか成績を出すのも難しく、現在メルセデス・ランキングは50位までのシード圏を外れる67位に位置している。9月に入ってからはテーピングが取れたものの、「気づかないところで、プレーに狂いがありました。得意のアプローチも違和感があったけど、テーピングが取れた直後は分からなかった。それに気づいたのが最近なんです」と、ケガが治ったからすぐに本調子を取り戻せる、という単純な話でもない。

「もう勝つしかない」。来季の出場権を現時点で確定させするためには、それ以外の道はないと腹をくくっている。2021年にメジャー大会「JLPGAツアー選手権リコーカップ」を制しているため、そこから10年間ならいつでも行使できる3年間の複数年シードもあるが、「今はQTの準備をしています」。11月28日から始まる最終予選会出場を見据え、調整を重ねている。あくまで“切り札”は温存し、まずは自分のプレーで出場権を手繰り寄せるつもりだ。最近では、その21年に「卒業」した青木翔コーチとも連絡を取り、話し合う機会も多いという。

現在、このパターを使用しているのはツアーでただひとり。そんな“いにしえの一本”が、ここから進む道を切り開いていくことに期待したい。(文・間宮輝憲)

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