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“空白の6年”で一念発起 34歳・日本チャンプが晴れ舞台へ「本当に夢のよう」

伊藤綾、聞き馴染みは無いかもしれないが、れっきとした日本チャンプ。アマチュア39人の中で最年長34歳が憧れの舞台へと挑む。

所属 ALBA Net編集部
牧野 名雄 / Nao Makino

配信日時:2024年9月25日 15時45分

<日本女子オープン 事前情報◇25日◇大利根カントリー倶楽部(茨城県)◇6845ヤード・パー72>

「ずっと憧れの大会だった。トップ中のトップが集まっているので、毎日すごい刺激的。本当に夢のような舞台」

そう言って笑顔を見せたのは、アマチュア39人の中で最年長の34歳・伊藤綾だ。あまり聞き馴染みのない名前かもしれない。だが、昨年の「日本女子ミッドアマ」を制覇した、れっきとした“日本チャンプ”のひとりだ。

34歳・日本チャンプは古江彩佳とラウンド【写真】

兵庫県出身。10歳からゴルフを始め、2010年「関西テレビアマ」優勝、2012年「日本女子学生」5位などの実績を残した。プロテストも受験したが、合格には至らず。2015年からはTP単年登録を行い、下部のステップ・アップ・ツアーを主戦場とした。

その後、伊藤の経歴にはポッカリと“空白期間”ができる。2017年の10月を最後に、ステップ、日本ゴルフ協会(JGA)の試合に一切出場しなかった。その理由について伊藤はこう語る。

「ゴルフがすごい好きだったんですけど、試合に出て行くうちに気持ちがしんどくなって。ゴルフが嫌いになりそうで、でも、そうはなりたくなかった。『一回ゴルフから離れよう』と決めた」

競技から離れたことで、心境も変化した。「日にちが経つにつれて、『試合に出てみたい』という気持ちになった。だけど、いまは若い子がプロテストに出ているので。自分の年齢じゃ(合格は)きついな、と。考えて考えて、このかたちをとりました」。

プロテスト合格は断念したが、ツアー出場への道はほかにもある。そのひとつが25歳以上の選手がしのぎを削るミッドアマだ。2023年に一念発起で6年ぶりに競技へ復帰すると、「関西ミッドアマ」を制覇。同年の日本ミッドアマでも唯一のアンダーパーを出して優勝を飾り、「憧れの舞台」である日本女子OPの切符を手に入れた。

この日の練習ラウンドでは、同郷で親交が深い古江彩佳と同組でプレー。海外メジャー覇者と貴重な時間を過ごした。「トップ中のトップが集まっているので、毎日すごい刺激的で、すごくいい環境。きょうも彩佳と回らせてもらえたり、あしたから(予選2日間)も柏原明日架プロ、木戸愛プロと回れるので。本当に夢のような舞台」と目を輝かせている。

最大の目標は予選通過。「みなさん、本当に上手いので。イーブン、1オーバーくらいで回らないと(予選通過は)キツいと思うので、そこを目指して。4日間を完走したい」。“記念出場”で終わらせるつもりはない。ようやくたどり着いた夢舞台を最後まで味わい尽くすつもりだ。(文・牧野名雄)

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