「来年度からツアーを離れて少し休養することにしました。期間は決めていません。ですが引退というわけでなく、もう一度立ち上がるための前向きな休養です」と、SNSでハッキリと書いています。この決断をするまでに、どれほど苦しんだことでしょう。

3人はいずれも人気が高く、ファンだけでなくスポンサーも多くついています。そういった背景から、QTに行かない理由を伝える責任があると考えたのでしょう。記者会見などをすることなく、自分の言葉を多くの人に伝えるSNSという手段があることも、行動しやすくなっている理由のひとつです。

アスリートにとって「休む」ということは、とても勇気が必要な決断です。一度休んでからのカムバックは、より多くのエネルギーが必要で厳しいものですし、そのことをしっかりと分かっているはずだからです。

不安もたくさんあったことでしょう。人気選手でなければ、自然にフェードアウトすることも珍しくない中、きちんと自分の考えを公表し、次に進む勇気ある行動をした彼女たちには拍手を送りたいと思います。

3人には、一度気持ちをリフレッシュして、またツアーで活躍する姿を見せて欲しいと心から願っています。同時に、ツアーで戦うことだけが人生ではない、という言葉も覚えておいて欲しいと思います。

アスリートは肉体的に鍛えられていますが、心を、精神を、酷使していることもまた事実だからです。優先事項は、同じひとりの人間でもそのとき、そのときによって変わっていきます。今、そして近い将来、どういう形が自分にとってベストなのか。人生は十人十色。正解はどこにもなく、時代によっても、タイミングによっても価値観は変わります。試行錯誤して自分の生き方を探るしかありません。どんな形であれ「私はこれでいいんだ」ということを、それぞれが感じられるように、毎日を充実した気持ちで送って欲しい、そう心から願わずにいられません。