天才が描く芸術作品 申ジエのアプローチ【連続写真】
■今までで一番過酷な富士通 でも素晴らしいセッティング
優勝したジエが「今までで一番過酷な富士通」とした今大会。辻村氏も「例年とはまったく違う。難易度がかなり上がりました」と話しつつ「とても素晴らしいセッティング。やりがいがありました」と振り返る。
「寒さと雨風に加えて、ラフがとても長くティショットからの組み立てが求められる。さらにピン位置はかなり振られていました。だけど、いいショットをすればちゃんとチャンスになる、アンフェアな切り方はなかった。だから、力がある人が上に来ました。さらに元々総距離も長いですから、長いクラブの精度も求められましたね。加えてラフも場所によって長さが違う。練習ラウンドでしっかりと確認できる選手でなければ戦えませんでした」
トップ10に入った13人のうち、実に7人もが前週の「スタンレーレディス」でもトップ10に入っていた。「調子が良くなければピンのショートサイドに打っていけません。そのあたりの勢いや自信も求められましたね」と、今回のリーダーボードを振り返った。
■手術明けの申ジエが選択した“振らない”飛距離アップ
そんななか、優勝したのは前週12位タイのジエ。コロナ禍の影響で来日が遅れたブランクが、3試合目となり調子が上がってきたのも要因のひとつ。ただ、それ以上に元々のうまさがずば抜けていたと辻村氏は見ている。特にポイントに挙げたのは最終日の最初のバーディとなった8番ホールだ。