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愚直なまでに貫いたアプローチへの挑戦 渋野日向子の葛藤「試合でやらないと自信もつかない」

愚直なまでに貫いたアプローチへの挑戦 渋野日向子の葛藤「試合でやらないと自信もつかない」

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2020年6月26日 19時30分

上記の4ホールのうち14番は前述の通りだが、18番は58度で打った4打目の奥からのアプローチが「大オーバー」し、結果ボギーに。そして8番も、グリーン左から52度で寄せようとしたが、パーパットが3m残るというピンチから生じたことだった。また6番パー4のボギーについても、52度で放った25ヤードの三打目のアプローチを4mと寄せきれなかったことに起因。オフに「99%」の時間を割いた小技が「何個もボギー」になってしまった事実が、冒頭の言葉の背景にある。

昨年までの渋野は、アプローチ時はひたすら58度を握り、基本に忠実といっていい寄せに終始していた。だが、さらなるレベルアップや、将来的な米ツアー参戦を見据えて、そこに幅をもたせることがオフの課題に掲げたことだった。そして、この日のスコアロスは「練習をたくさんしていても試合でできなければ意味がない」という意思を、愚直に貫いたからとも言える。

「58度でもいいかなと思う場面もありましたが、試合でやっていかないと自信もつかないし、課題も見つからない。挑戦しました」。これが記者から出た『58度を握ればいい場面もあったのでは?』という質問への渋野の答えだった。この大会を終えると、また1カ月以上試合がない日が続く。それが「挑戦」し続けた理由の一つとも考えることができる。

ホールアウト時は、まだ他の選手の動向次第では予選通過もあり得たが、「(予選を)通る、通らないではなく、自分の問題。自分がやるべきことを練習しないと」と、結果ではなく内容を自らに問うた。瞬間最大風速15.7mという強風の影響については「風が吹いてる方向は分かる。自分のミス」と否定した。

17番のバーディは、残り10ヤードから52度で放ったアプローチが直接カップに決まったもの。これについては「気持ちよかった」と言うが、ただ試合全体を見ると「ポジティブなものはなかった」。この日続けた挑戦を“先行投資”にし、試合のなかで見つけた課題をここから克服していく。

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