岡山では警察署長に 多忙の1日を追った【フォト集】
渋野の1年はまさに激動だった。「謎」を1年の漢字に選ぶほど、自身の予想をはるかに上回る結果を残し日本中が注目する国民的ヒロインに上り詰めた。楽しいときはもちろん、悔しいとき、悲しいとき、つらいときも笑顔を求められた。あまりにも変化が大きかった環境に戸惑いを覚えた時期もあった。そんな渋野の表情は、少しの照れとうれしさと、地元への懐かしさにあふれていた。
先週行われた最終戦の「LPGAツアーチャンピオンシップリコーカップ」では2位タイでフィニッシュ。最終ホールのバーディでホッとしたような笑顔も見せた。激戦後はプロゴルファーにとって恒例のオフの仕事をこなし、地元の岡山県に戻ったのは木曜日。そして6日の金曜日は、早朝から岡山県をスマイルで走り抜けた。
「実感はないですけど、たくさん表彰していただいて久しぶりにすごいことをしたんだなと思いました」。どこへ行っても人だかり。ツアー会場でもみくちゃにされるときとはまた違った、柔らかい笑顔を浮かべた渋野の表情は、岡山県民の笑顔をも誘った。
昨年7月には西日本豪雨が岡山県を襲い、自宅の目の前は「海のようだった」と、目の前に控えた最終プロテストの出場も考えたほどの被害だった。「ボランティアしたかった」と、当時の心境を沈痛な面持ちで語った。そんな思いをぶつけたのは、ゴルフ。「ゴルフで皆さんを笑顔にできたらなと思っていて、今年1年の結果でたくさんの人が笑顔になってくれたんじゃないかと思います」。県民の笑顔を引き出せたことを素直に喜んだ。