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渋野日向子に吹いた追い風も… 鈴木愛が最後に魅せた驚異の対応力【辻にぃ見聞】

渋野日向子に吹いた追い風も… 鈴木愛が最後に魅せた驚異の対応力【辻にぃ見聞】

所属 ALBA Net編集部
秋田 義和 / Yoshikazu Akita

配信日時:2019年12月3日 17時00分

この“いつもと違う”グリーンに一番苦しんだのがジエだった。

「ジエさんは強気なパッティングをする鈴木さん、渋野さんとは異なりジャストタッチで入れるタイプ。そして、好調の2人と違って11月に入ってからすごくパッティングに悩んでいましたから。練習場で何本もパターを試していた。それでも打てなかった。ラインに乗っていないし、届かない。アドレスに入ってからの間が非常に長かったのが、迷っていた何よりの証拠でしょう」

過去2勝を挙げて、3人のうち誰よりも大会との相性がいいと目されていた名手には思わぬ誤算だった。また、「例年になく前後の2カ所のティを使用するホールが多かった」ことも、得意コースでのいいイメージを作りづらくさせていた。

■最終日にきっちり合わせた鈴木愛 迷わない精神力が最後で爆発
もちろん、このグリーンに鈴木も苦戦しなかったわけではない。2日目のラウンド後には今のパターが合っていないのかと、練習グリーンでエースパターを試したり、「1年ぶり」というテークバックを行わずアドレスのままボールを押し出すロングパットの練習を行い、体を使ったパッティングができているか確認するなど、様々なチェックを敢行したが実らず。3日目を終えて「ストロークは悪くないのですが入らない。あしたはグリーンが速くなって欲しい」と半ばお手上げ状態だった。

だが、最終日のパット数は26。この数字は柏原明日架、三ヶ島かなと並んで最上位。さらに柏原はパーオンが18回中6回、三ヶ島も9回。鈴木は10回という数字を見れば、ショットが寄ったことを含めてもパッティングが決まっていたことは明確だ。

「鈴木さんは、ストロークは悪くないのに入らない、という状況でも自分を信じ続けて迷わなかった。別のパターを試したのも『どちらのほうがこの芝に合うかな』というポジティブなもの。少しでも迷いが出れば、今回のグリーンでは届かない。そして、これまでの類いまれな練習量で培ってきたグリーンと自分との感覚の微調整。技術うんぬん以上に、気持ちの強さ、練習量、修正力が最終日のパッティングにつながりました。そうやって渋野さんに『優勝しなきゃダメ』というプレッシャーをかけ続けることができた。そのほんのわずかな差が賞金女王争いの結果につながったと思います」(辻村氏)

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