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女性アスリートが長年戦い続ける難しさはどこにある? 『ツアー撤退表明』続く女子会場でトッププロに聞いた【記者の目】

女性アスリートが長年戦い続ける難しさはどこにある? 『ツアー撤退表明』続く女子会場でトッププロに聞いた【記者の目】

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2019年11月26日 16時19分

今シーズン2勝を挙げている33歳の上田桃子は、「年々進化していかないと後退する世界。そして進化するためにはリスクも背負わないといけない。この“せめぎあい”が難しいと感じる部分ですね」と戦い続けることの厳しさを表現した。

そして、この気持ちを維持するために重要になるのが「体」だと話す。実際に今回の佐伯、一ノ瀬、諸見里もケガに苦しんだ選手。上田は、「体の調子が悪いと、頑張りたいけど、頑張れないというジレンマが出てくると思う。心と体が一致しないのはもどかしいでしょうね」とその心中をおもんぱかった。進化したい気持ちがあっても、体が言うことを聞かなければ、その速度はどうしても鈍化してしまう。場合によっては後ろに下がることも。

「毎週のように試合が続く」、「回転運動のスポーツで、トレーニングもケアもバランスよくやる必要がある」という競技とあって、上田も体への気づかいを怠らない。そして、この体を資本に「コーチと一緒に技術も毎週新しいことに取り組めている。情熱はなくなっていない」というモチベーションにつなげている。“無事是名馬”という言葉もあるが、それに向け「日ごろの準備が大事」という意識を常に心にとどめている。

一度下がってしまったモチベーションを立て直すことの難しさを話してくれたのが、宮里美香だ。

今季から日本ツアーを主戦場にし、来季の賞金シードに入った宮里だが、長年戦った米ツアーを離れる時には気持ちも落ち込み「ゴルフ以外の道に進もう」という選択肢も頭をよぎったという。それだけに「ほんの一握りの人たちが活躍する厳しい世界。そのなかで一度落ちた気持ちを再び上げるのは、並大抵のことではないですね」ということは身をもって理解している。

宮里自身は、「その道もあるかな」と母国ツアーへの参戦をモチベーションに再び心に火を灯すことができたが、一方でこんな本心も口にする。「1年間日本でやってきて改めて『ゴルフが好きだな』とは思った。でも、いつどのタイミングまで競技を続けるかは自分自身でも分からないですね。他の人から見ると『まだできるのでは?』と思っても、それは本人にしかわからないこと。(撤退表明をした)みなさんは、すごい決断をしたなと思います」。選手にとって、“継続”と“撤退”は決して遠い位置にあるものではない、そんな印象を受けた。

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