コースに託児所などが備えられ、出産後すぐに競技に復帰する選手も多いという米国ツアーで長年戦ってきた宮里の目には、まだ今の日本ツアーは「結婚したら辞めないといけない」という風にも映っている。「子供が産まれてもゴルフができる、というのはアメリカではすごく感じられる部分」と日米ツアーの違いについて話した宮里。この環境・風土といったものは、ツアー生活を続けるうえで大きな外的要因になりそうだし、多くのベテランが活躍を続ける男子とは異なる部分といえる。
もちろん、「もっとゴルフがうまくなりたいし、私にはまだ伸びしろがあると思っている」と話す42歳の大山志保のように、大ケガを経験してもそれを乗り越え、戦い続ける選手もいる。アスリートとして避けられない“そのタイミング”は、その動機も含めもちろん人それぞれだ。今回『撤退』という言葉を連日耳にする機会が続いたことで、女性アスリートたちの心中を“少しだけ”知る大会となった。(文・間宮輝憲)