Qシリーズを戦ったなかで、課題も見えた。「芝も違うし、日本での打ち方では通用しないところもあった。そういう部分でレベルアップをはかっていきたいです」。だが第7ラウンドで、「ゴルフ人生でも何年ぶり」というダブルボギー、トリプルボギースタートのなかから一時イーブンまで戻したことは「自信になりました」。その自信を一つずつ積み重ねて、新たな道を切り開いていく。
現在は来季のスケジュール調整やビザの取得など「忙しい」日々を送る。「今年の初めに、世界ランク75位以内(現在64位)に入ったら挑戦しようと決めていました」という決意を実現のものにし、来年からは河本自身にも予測できていない生活が始まる。さらに河本といえば、日体大に通う現役女子大生ゴルファーでもあるが、学業についても大学側の協力のもと、レポートなどで単位を取得できるカリキュラムが組まれそう。「4年が目標だけど、仮に5、6年かかっても」卒業するつもりで、“二足のわらじ”生活は継続。さらに多忙を極めそうだ。
「日本ツアーは環境がすごくいい。スポンサーのみなさんもすごくよくしてくれるので、それに甘えてしまうかもしれない。向こうは何十倍もきついと思うけど、それが目標だったので。どんな生活が待ってるかも分からないし、今は何も言えないけど、私の実力でどこまでできるかを見せたい。温かく見守っていてください」
前夜祭の会場では、畑岡が「おめでとう!アメリカで一緒に頑張ろうね」と抱擁するシーンも見られた。これから新たなスタートラインに立つ21歳。本当の挑戦が、ここから始まっていく。(文・間宮輝憲)
