毎週、ゴルフツアー会場で選手たちを撮影し続けるプロカメラマン。インサイドロープでプロゴルファーの凄みや熱気を感じ、ときおり会話のやりとりを見聞きするなど、“試合中の選手たちに最も近いメディア”であるツアーカメラマンが見た印象的な景色を紹介する。【TOTOジャパンクラシック編】

満開の笑顔でカップを掲げる鈴木愛【写真】

優勝するのか、夢破れるのか。数多のドラマが生まれる18番グリーンでは、カメラマンならではの願いがあると鈴木祥カメラマンはいう。

「僕らカメラマンは、18番グリーンでは優勝の瞬間を一番いい背景で撮ろうと考えてポジションを決めています。ですが、それはあくまで1パットで決まった場合。優勝を決めると想定したパットがオーバーした場合、顔が見えるように反対側に移動するため、背景は変わってしまいます」（鈴木カメラマン）

最高の瞬間を最高の背景で。狙いすましていてもなかなか撮れないものだが、日本で行われる唯一の米国女子ツアー「TOTOジャパンクラシック」ではその思いが実った。

「18番で上手く収まる位置をとれたので、“頼むからこのパットを決めてくれ！”と思っていました。すると、愛ちゃんは見事に最初のパットを沈めてバーディ締め。ギャラリーさんの興奮が伝わるいい写真が撮れました。ありがとう、愛ちゃん！」と鈴木カメラマン。1パットで決めた名手に感謝した。