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【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】 表純子カムバックの意味のアピール不足

【小川淳子の女子ツアーリポート“光と影”】 表純子カムバックの意味のアピール不足

配信日時:2018年9月25日 19時47分

1年近くもクラブを握らない生活から復活した表
1年近くもクラブを握らない生活から復活した表 (撮影:村上航)
世界中でいったい何人が歓喜し、泣いただろうか。米ツアー最終戦でのタイガー・ウッズ復活優勝。ツアー通算79勝目から1876日(約5年)ぶり、42歳でのツアー通算80勝目は、改めてタイガーのすごさを浮き彫りにするものだった。もちろん、タイガーだからできたことではあるが、それでも、42歳になってもトップの世界で復活できるゴルフというスポーツの素晴らしさをも感じさせた。

【写真】表純子 復活の試合を写真でプレーバック

世界のトップであるPGAツアーが「パワーゴルフの時代」といわれてしばらく経つ。それでも、タイガーはパワーではなく、技でカムバックを果たした。あれほどたくましかった体が、酷使と年齢によってボロボロになり、一時は引退すら脳裏に浮かんだほど。4度にわたる腰の手術を受けて、必死にスイングを立て直してのカムバック。タイガーの人生がそのまま投影されているように見えるからこそ、感動を呼んだのだろう。生涯スポーツの素晴らしさでもある。

話をこのコラムのテーマである日本の女子ツアーに戻そう。タイガー復活のまさにその週、ツアー復帰を果たしたのが“鉄人”表純子だ。241試合連続出場の記録を持つ表だが、右肩の痛みを訴えて、昨年10月以来、戦線離脱。右肩周囲炎の診断で手術に踏み切ったはずが、開けてみたら腱が断裂していた。11月に約3時間に及ぶ大手術を受け、必死でリハビリに励んでのツアー復帰戦が、ミヤギテレビ杯ダンロップ女子オープン。はじめて、1年近くもクラブを握らない生活から、自らの“居場所”に戻った実感をかみしめた。

「72」「74」で通算2オーバー・42位タイで予選を通過。最終日は「81」をたたいてしまったが、元のスイングに戻すことができず、新たなスイングで飛距離もまだ十分でないなか、最終日まで戦ったのはさすがというしかない。

トーナメント特別保証(公傷)制度を使うとはいえ、シード喪失のリスクは承知でQT行きも覚悟しての手術を経ての復帰劇。44歳という年齢でこれだけの覚悟があるのは、ゴルフが大好きで、ゴルフこそが人生そのものだからこそ、だろう。

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