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「人生が終わるわけではない」 渋野日向子が「崖っぷち」で並べた前向きな言葉

渋野日向子が思い出の大会を前に、その心中を吐露した。

所属 ALBA Net編集部
間宮 輝憲 / Terunori Mamiya

配信日時:2025年10月9日 10時30分

渋野日向子が語る、今までとこれから
渋野日向子が語る、今までとこれから (撮影:佐々木啓)

<スタンレーレディスホンダ 事前情報◇8日◇東名カントリークラブ(静岡県)◇6435ヤード・パー72>

開幕2日前の練習ラウンド。スタートの10番ティから、親友の木下彩と、後輩の吉田鈴と楽しそうに笑いあう渋野日向子の姿があった。「木下彩は特別ですね。ジュニアから一緒に戦ってきた選手なので、いい意味で幼稚な心に戻れる」。そこにこちらも親交が深い大里桃子が駆け寄ってきて、また笑顔。今年3月の「Vポイント×SMBCレディス」以来となる今季2試合目の日本ツアーは「安心感がありますね」と、気持ちを明るくする。

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「この一年間、苦しい日々を過ごしている」。それが今の渋野の本音だ。今季米ツアーでは22試合に出場し、予選落ちが12回。「全米女子オープン」は7位で終えたが、トップ10入りもその1回のみ。ツアーのポイントランクは、現在104位。シード(80位以内)、さらに来季第1回リシャッフルまでの出場権が得られる準シード(81~100位)争いでも圏外にいる。

さらに、今週から行われるアジアシリーズの出場権も逃し、現時点で出場できる試合は、アジア明けの「アニカ・ドリブン by ゲインブリッジ at ペリカン」(11月13~16日、フロリダ州)の1試合のみ。来季の出場権をかけて、12月4~8日の5日間の日程で開催される最終予選会(アラバマ州モービル)にもエントリーを済ませた。まさに苦境。だが、2021年には優勝も果たしている大会出場のため戻ってきたその表情は、笑顔が印象的だ。

「吹っ切れないと前に進めない。頭のなかや根に持ってるものはあると思うけど、目の前の試合に集中します。これで人生が終わるわけではないと思って、めっちゃ前向きです」

自分に言い聞かせるよう、言葉を選びながら話すその声は明るい。先週ハワイで行われた「ロッテ選手権」では予選落ち。そのときに流した悔し涙も、とっくに乾いている。「ちょっと気持ち的に落ち込んでしまった日はあったので、リフレッシュした日もあった」。クラブを握ると、「あまり(いろいろな部分を)気にしてしまうと、今の私は頭がこんがらがってしまう」と、リズムや体の使い方など「初歩的」なことを繰り返す日々を過ごす。

そんな時に迎えたのが、歴代覇者として戦う今大会だ。その時は木村彩子、ペ・ソンウ(韓国)、当時アマチュアだった佐藤心結とのプレーオフを制し、勝利をつかんだ。「あっという間の4年ですね。イコール、アメリカツアーに行って4年になる。18番は、よー回ってる(プレーオフでも2度)ので覚えてましたね。一緒に戦った佐藤心結選手が去年勝って、自分も頑張ろうと思えた」。今も“刺激”を与えてくれる大会である。

佐藤は今大会後に米ツアーの2次予選会を受けるため渡米するのだが、その話題をきっかけにこんな想いも語られた。

「自分は今崖っぷちだから言える立場ではないかもしれないけど、たくさんの日本人選手がアメリカツアーに挑戦して、今年も優勝している。同い年の勝みなみも頑張ってるし。原(英莉花)ちゃんもエプソンで優勝して、来年のツアー(昇格)を決めた。そのなかでもどかしい気持ちもあるし、悔しいと思うこともあるけど、そういうみんなの活躍や挑戦する子がいて、自分もやる気が出る。頑張らないとなって思わせてくれるし、すごく勝手ながら、みんなの力をもらってますね」

アジアシリーズに出られないことは「悔しい」が、それでも今週から3週連続での日本ツアー参戦も確定。「数少ない推薦枠をいただいて出られる」という感謝の念は強い。「スイング中にリズムが速くなる。でも構えてからは遅くなったり、どっちもあります。パターもショットもそう。速くなったり遅くなったりが現状」。そのズレを直すには「試合でしかつかめないものがある。今の自分にはそれが必要」と、実戦が最良の場になる。

「どこかでやらんと帰ってこれん! 頑張らないとという気持ちはありますね。上位で戦いたいですよね…う~ん頑張りたい!」。そういうと、いつもの豪快な笑い声を響かせた。「勝った試合はすごく思い入れがある。帰ってくることができて、すごく興奮してます。この帰り方はもどかしい感じもあるけど、チャンスをいただけたのは大事なこと。無駄にしたくない」。前回、この富士の麓で勝った時は2年ぶりの“復活勝利”だった。そんな“パワースポット”で、苦るしい道に明かりをともしたい。(文・間宮輝憲)

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