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石川遼がオンセット強めの『ヴァーサ』風パター投入!? 目的は「アドレスの再現性」

石川遼が今週のプロアマで使っていたオセロパターの目的とは?

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2023年6月29日 08時38分

石川遼が今週試しているオンセット強めのパター
石川遼が今週試しているオンセット強めのパター (撮影:福田文平)
オセロのような白と黒のペイントが施されており、シャフトがヘッドの後方から伸びていることで、視覚的に邪魔にならない
ヘッドは『ストロークラボ ブラックシリーズ BIG SEVEN TOE UP』で、ホワイトホットインサートを搭載
ネックが後ろから伸びている
ホワイトホットインサート
独特な形状
35インチのパターに中尺用のグリップを挿し、エースパターと同じバランスにしている
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オセロのような白と黒のペイントが施されており、シャフトがヘッドの後方から伸びていることで、視覚的に邪魔にならない (撮影:福田文平)

<長嶋茂雄INVITATIONALセガサミーカップ 事前情報◇28日◇ザ・ノースカントリーゴルフクラブ(北海道)◇7178ヤード・パー72>
 
石川遼のバッグには火曜日の練習日から、シャフトがヘッドの後方から伸びている珍しい形状のパターが入っている。その日はコース内で少し試しただけだったが、水曜日のプロアマでは実際に打ってプレーするシーンもあった。

石川は昨シーズンの終盤からショートネックのブレード型、オデッセイの『TRI-HOT 5K THREE』をエースにしている。今週試していたのは、性能がまったく違うモデル『ストロークラボ ブラックシリーズ BIG SEVEN TOE UP』だった。2020年に数量限定で発売されたこのツノ型パターは、シャフトのラインよりもフェースが前に出たオンセットの独特なデザインが最大の特徴。『バック ストライク』にも似ていて、片山晋呉が使っていたこともある。
 
ただし、石川のパターは市販品とはまったく違う。マイクロヒンジインサートではなくホワイトホットインサートを搭載し、構えたときに『ヴァーサ』のような白と黒のペイントが施されている。『ヴァーサ』はしま模様だが、これはオセロのように白と黒が互い違いのデザイン。グリップは中尺用で石川だけの特別仕様となっている。
 
『ヴァーサ』といえば、2週前の「全米オープン」では、最終日最終組で回ったリッキー・ファウラーとウィンダム・クラーク(ともに米国)が14年に発売された『ヴァーサ JAILBIRD(ジェイルバード)』の中尺モデルを使用しており、前週の米国男子ツアー「トラベラーズ選手権」では、キーガン・ブラッドリー(米国)が使って優勝と、いま大きな注目を集めているパターだ。
 
オンセット強めのオセロパターについて「練習用です。明日は使わないと思います」と石川は話し、今週投入はしない予定。これを作った目的については、「実は(中尺用の)グリップとか、シャフトが刺さっているところは、あんまりこだわりがないんです。ヴァーサカラーのアライメントがしやすいペイントがないかと試している第一弾です」と説明する。発注したのは1カ月前で、米国で『ヴァーサ』が話題となる前だった。
 
続けて、「構えたときに自分の狙った方向にどれくらいアドレスが向けられるかがけっこう大事だと思っている。アドレスの再現性というところですかね。最終的には自分の思ったところに出せていればいいんですけど、そこに出す確率を上げるのは、そこにフェースが向いていることが、より簡単にさせてくれる」と話す。
 
普通、パッティングでは構えたところにボールを打ち出していると思いがちだが、プロでも実際に計測してみると、ターゲットを少し外れている場合がけっこうある。打つときに無意識に調整して狙ったところに打ち出していくが、そのアドレスのズレによって、フックかスライスで苦手なラインが生まれたりもする。アマチュアなら、その傾向はもっと顕著となるだろう。
 
そもそも『ヴァーサ』は、白と黒のコントラストをつけることで、ターゲットラインに対して直角に合わせやすいデザイン。石川はこれに工夫を加えて、ターゲットに正確に向いて構える確率を「パターの形でもやってみるし、自分の技術練習も行いながら」高めたいと考えている。
 
実はオンセットのモデルを選んだことにも意味がある。「ペイントを邪魔しない位置にシャフトが刺さっていると、より構えやすいかなと思って。性能はいったん置いといている感じ。もう1本のやつは全然とんでもないところにシャフトが刺さっているのが来ます(笑)」。このパターだけでなく第二弾、第三弾のパターも作成中だ。
 
昨年まではスイング改造に重点を置いて調整してきたが、今週は新しいウェッジも試すなど、現在はアプローチやパッティングに費やす時間が増えてきた。「パターのフェースの向きはまだ研究の余地はけっこうあると思います」。もともと得意なショートゲームの精度がさらに上がれば、グリーンを狙うショットのプレッシャーが軽減され、ゴルフ全体のレベルアップにつながっていきそうだ。(文・下村耕平)

プロアマ中に練習用パターを試していた石川遼

プロアマ中に練習用パターを試していた石川遼 (撮影:福田文平)

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