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ルーキー・岡田晃平は「アメリカに挑戦したい」 初シードほぼ“確実組”が来季に見据えるものは…

初シード権獲得へラストスパート。ルーキー・岡田晃平が目指す先は?

所属 ALBA Net編集部
齊藤 啓介 / Keisuke Saito

配信日時:2024年11月20日 18時36分

ルーキーながら岡田晃平はシードを確実なものとした
ルーキーながら岡田晃平はシードを確実なものとした (撮影:スエイシナオヨシ)

<カシオワールドオープン 事前情報◇20日◇Kochi黒潮カントリークラブ (高知県)◇7350ヤード・パー72>

国内男子ツアーは、いよいよシード争いの最終局面を迎える。当落線上の選手にとっては運命を左右する高知決戦となるが、一方ですでに初シードを獲得した選手もいる。彼らはどのような思いで今大会に挑むのか。これまでの戦いを振り返りながら、その胸中を探った。

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■地元に凱旋するルーキー・岡田晃平

高知県中土佐町出身の岡田晃平は、新人ながら賞金ランキング48位(1654万4494円)で初シードを手中に収め、地元に凱旋。ファイナルQTで9位に入りレギュラーツアーに参戦すると、開幕戦「東建ホームメイトカップ」で28位、5月の「関西オープン」で8位、6月のメジャー「BMW日本ゴルフツアー選手権 森ビルカップ」で自己最高の4位に入った。この時点で1038万円を稼ぎ、シード獲得をほぼ確実なものとしていた。

しかし、6月「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」以降は予選落ちが目立つようになる。「夏場に腰の状態が悪くて休んだりして、調子が上がらない」中で、序盤で稼いだ“貯金”が救いとなった。

その後は「会場に行けば絶対に練習をして帰り、疲れるくらい練習して試合に臨むようにした」と練習の虫となった岡田は徐々に調子も取り戻し、9月の「ANAオープン」以降、6試合中予選落ちは1回。「三井住友VISA太平洋マスターズ」では17位と復調の兆しを見せた。

「勝ちたかった」と語るルーキーシーズン。来季もレギュラーツアーで戦えることには喜びを感じながらも、目標はさらに高い。「早く勝ってアメリカに挑戦したい。まずは1勝できるように」と、海外志向の強い岡田にとって見据える先はもちろん世界。「松山(英樹)さんは、今ベストな状態だと思う。(早く)アメリカに行かないといけない」。高校・大学と直系の先輩となる松山英樹は、憧れでもあり、越えたい存在。絶頂期にいる松山と同じ舞台に立ち、力を競いたい。気持ちは高ぶる一方だ。

■下部ツアー賞金王・山田大晟

国内男子下部のABEMAツアーで賞金王に輝いた山田大晟(やまだ・たいせい)も、レギュラーツアーのフル出場権を獲得した一人だ。下部ツアー最終戦「ディライトワークス JGTO ファイナル」では一度も首位の座を譲ることなく優勝。「自分が賞金王になるとは思っていなかった」と無欲の大逆転Vで賞金王に輝いた。2位の内藤寛太郎とはわずかに2万6869円という僅差での戴冠だった。

「不安しかないけど、調子は悪くなさそうなので楽しめそう」と明るい表情で高知決戦に挑む。来季の職場を確保したことについては「一応、無職にならずに(笑)」とおどけてみせた。「無理はせず、着実にできることにトライして、いい結果を積み上げていきたい」と堅実な姿勢で来季レギュラーツアーでの戦いを見据えた。

■安定感が光る27歳・篠優希

今季QT6位の資格で出場している篠優希は、同ランキング56位(1308万861円)と初シードを確実なものとしている。5月の「中日クラウンズ」ではプロ自己ベストとなる3位タイを記録。トップ10こそ1試合にとどまったが、17試合中予選落ちは5回と安定した成績を残している。「まだまだなところもありますが、予選通過の確率は高いので成長しているのかな」と納得のシーズンとなった。

「ツアーに出て、色んな人と会って考え方も変わった。ラウンドの攻め方や、ボギーを打った時の気持ちの持ちようだったり」。試合を重ねていくごとに積み上げてきた経験こそが好調の要因。特に「体力面」でのマネジメントは様変わり。決勝まで体力を温存できるよう、逆算しながら練習をするようになった。来季の職場を確保して挑む今大会。「気負うものは無いので、楽しんでやりたい」と意気込んだ。

■劇的優勝で初シードの下家秀琉

下部ツアー「PGM Challenge」で最終日に『59』をマーク。劇的な初優勝を挙げた22歳・下家秀琉(しもけ・すぐる)も同ランキング61位(1131万750円)で初シードを確実なものとしている。

優勝後に出場したレギュラーツアーはすべて決勝進出。さらに先週の「ダンロップフェニックス」を除いて10位台を並べるなど好調だ。それでも「めちゃくちゃいいっていうわけではないです」と謙遜(けんそん)する。シードを手中にして「気持ち的に楽になった」と語る一方、「高いレベルでのマネジメントやコース対応が課題」と自己分析も欠かさない。

来季の職場を確実なものとしたが、「最後の目標ではない。まずはこっち(日本)で優勝して、海外で打ちのめされたい」。国内ツアーはあくまで“通過点”だ。シード選手として挑む来シーズン。世界への階段を駆け上がれるか。活躍に期待がかかる。



血気盛んな若手と個性派ぞろいの選手たちが、初のフルシーズンを送る来季レギュラーツアー。男子ゴルフ界に新たな風を吹き込む彼らの戦いに注目だ。(文・齊藤啓介)

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