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プロ5季目の清水大成が悲願初V 「苦しい」一年で生まれた“意識変革”

4ホールに及ぶプレーオフを制した清水大成。悲願のツアー初優勝をメジャーの大舞台でつかんだ。

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2025年5月26日 07時51分

清水大成が日本プロで悲願のツアー初優勝をつかんだ
清水大成が日本プロで悲願のツアー初優勝をつかんだ (撮影:上山敬太)

<日本プロゴルフ選手権 最終日◇25日◇三甲ゴルフ倶楽部 谷汲コース(岐阜県)◇7337ヤード・パー72>

「いろんな感情があって…。バーディで決めたかったし、やっと勝てたという気持ちもあって、安心というか…。大きい試合で初優勝できたことで、自分の人生で大きな一歩になったと思います」

【写真】葉っぱの下から!? プレーオフでの神リカバリー

プロ5シーズン目の26歳・清水大成がプレーオフを制し、悲願の初優勝を手にした。ツアー初優勝を日本タイトルで決めたのは、ツアー制度が施行された1973年以降で通算30人目。2023年の「日本オープン」を制した岩崎亜久竜に続く快挙で、「日本プロ」では2021年のキム・ソンヒョン(韓国)以来、9人目となった。

これまで何度も優勝争いに絡みながら、あと一歩が届かなかった。昨年は2度の2位を含めてトップ10入り9回。それでも勝利には届かず、悔しさをグッと堪えながら、諦めずに戦い続けてきた。

「去年は色んな経験ができたけど、初優勝が遠くて苦しかった。次の試合がどんどん来る中で、『チャンスがあれば勝てるだろう…』と思っていました。その経験がきょうに生きたと思います」。どんな結果も受け止め、自分を信じて歩んできたことが、ついに実を結んだ。

最終ラウンドは長く、厳しい一日となった。首位と3打差でスタートし、出だしの1番パー5ではガードバンカーからチップイン寸前のスーパーショットでバーディ発進。3連続バーディのスタートダッシュを決めて、12番ホールまでに計7つのバーディを積み重ねて単独首位に立った。

しかし、16番パー4では痛恨のOBでダブルボギー。続く17番でもバンカーからのショットが寄らずボギーとし、一時は2位に後退した。それでも最終18番パー5で意地のバーディを奪い、トータル14アンダーでホールアウト。クラブハウスリーダーとして後続の結果を待った。

同スコアに並んでいた最終組の生源寺がプレーしているとき、「あまり(生源寺を)見ないようにして、パットをしていました。プレーオフをしたいという気持ちで」。生源寺が最終ホールをパーで終え、勝負はプレーオフへともつれ込んだ。

迎えた延長戦1ホール目。清水はティショットを大きく右へ曲げ、ボールは崖下へ。「打った瞬間に“終わった”と思いました。またかよ…と」。ボールは小さい木の下にあり、「すごかったですよ(笑)。アドレスして葉っぱでボールが見えなくて、出ただけでもうれしかったです」と、ナイスリカバリーでフェアウェイに出した。

ボールは小さい木の根元に…

ボールは小さい木の根元に… (撮影:上山敬太)

「ボギーだけはダメなので、なんとかバーディパットを打ちたいという思いでグリーンに乗せた。それが本当にナイスショットで…。決められればかっこ良かったですけど…」。220ヤード以上残る3打目でグリーンを捉えバーディチャンスとしたが、ともにパー。その後も決着はつかず、今大会の最長プレーオフタイの4ホール目に突入した。

生源寺は左のラフ、清水はフェアウェイからの3打目。生源寺はグリーンに乗らずパーを逃し、ピン奥2.5メートルにつけた清水は2パットのパーで優勝を決めた。生源寺と力強く握手を交わしたあと、キャディで親友の沖田悠輔氏と抱き合った。

その瞬間を見ていた片岡尚之、大岩龍一は目を潤ませながら大喜び。日大ゴルフ部の先輩・堀川未来夢、後輩の杉浦悠太ら多くの仲間たちが清水に駆け寄り、歓喜のウォーターシャワーを浴びせた。

22ホールの決戦は「やっているときは、『またいくのか、うわ~またいくのか~長いな』と。終わってしまえば早かったですね」と振り返った。

仲間たちからウォーターシャワーを浴びる清水大成

仲間たちからウォーターシャワーを浴びる清水大成 (撮影:上山敬太)

これまでは「モードに入り過ぎていた」と、優勝を意識するあまり自らを追い込み、チャンスを逃してきた。しかし、経験を積んだことで意識に変化が生まれたという。16番のダブルボギーを叩いた場面でも、「以前なら『ヤバい』という思いしかなかった。今回は『残り2ホールをしっかり消化しよう』と切り替えが上手くなった」。過去の反省から“優勝”という言葉にとらわれず、「優勝争いの1打でも、初日の1打目でも、同じテンションでプレーする」。その姿勢が、ピンチの場面でも気持ちを切らさず、前に進む強さにつながった。

目標は米国男子ツアー。「僕の予定ではもうアメリカに行っていたんですけど、あまり上手くいかないですね…。プロ2~3年目でアメリカのQTを受けていたかった」と心の内を明かす。昨年は日本で行われた「全米オープン」の予選会を突破し、本戦に出場。海外志向はさらに強まった。

そのためにも、「賞金王になること」を今季の目標に掲げている。今大会での勝利で賞金ランキングは3位に浮上。「例年だと10月1週目までの賞金ランキングで5位以内までがセカンド(2次予選会)からいける。そこを目指したい」と、米ツアーへの足がかりを狙う。

最大の“夢”に向けて、大きな一歩を踏み出した26歳。世界最高峰の舞台へ、力強く突き進む。(文・高木彩音)

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