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プロもアイアンにヘッドカバーをつけるの!? 0.5グラムのこだわりを守る星野陸也の繊細さ

石川遼とともに首位タイで最終日を迎える星野陸也。

所属 ALBA Net編集部
小高 拓 / Hiromu Odaka

配信日時:2023年4月2日 09時30分

<東建ホームメイトカップ 3日目◇1日◇東建多度カントリークラブ・名古屋(三重県)◇7062ヤード・パー71>

12位タイから出た星野陸也はショットとパットともに冴え、この日のベストスコアとなる8バーディ・1ボギーの「64」をマーク。トータル14アンダーで石川遼と並び首位タイで最終日を迎える。爆発的なスコアを出した星野のキャディバッグをのぞくと、4本のアイアンにヘッドカバーがかけられていた。

ヘッドに傷がつくのを防ぐためにドライバーなどのウッドやユーティリティにカバーをかけるのは一般的。ツアー通算6勝を挙げ、昨年賞金ランキング2位の星野のように、ツアープロがアイアンにヘッドカバーをかけるのは珍しいが、ここには深いこだわりがあった。

「もともと自分が理想とするクラブのスイングバランスがあって、ヘッド重量はそれよりも少し軽目に作ってもらいます。そして自分の振り心地と合うように、鉛を張って重量とバランスを調整します」という星野。わずか3グラム前後の鉛位置を決めるために、1本に10~15分は費やす。それほどまでに鉛にこだわりがある。

しかし、試合中や移動中にアイアンのヘッド同士がぶつかり、不可抗力で鉛の位置がズレたり削れてしまうこともある。「1グラムでも0.5グラムでも鉛位置が変われば、振り心地も変わるので気になっちゃうんです」。再び調整するためには時間もかかるし、一度決めたモノは変えたくないもの。そのために今年からアイアンにヘッドカバーをかぶせることにした。

鉛を張っているのは6番アイアンからウェッジまで。キャディバッグの中で並ぶ7番、8番、9番のあいだの8番アイアンとウェッジにカバーをつけてぶつかっても影響がないようにしている。トッププロの感性には驚くばかりだ。

昨年秋ごろから新スイングと感覚がマッチしていい感覚で振れている。昨年の今大会は優勝争いを演じながら3位に終わった。「昨年のリベンジと毎年優勝記録を6年に伸ばしたい」。2018年に初優勝を遂げてから毎年勝ち星を重ねている。23年シーズンは好感触のスイングとこだわりのクラブで開幕戦Vといきたいところだ。(文・小高拓)

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