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1Wが2本、パターには“フニャフニャシャフト”も… 日大出身の24歳・新村駿のこだわり「プロとして技術を上げたい」

QT5位から狙う初のシード獲得。日大OBの新村駿のこだわりある練習方法とは?

所属 ALBA Net編集部
高木 彩音 / Ayane Takagi

配信日時:2025年6月26日 10時00分

24歳の新村駿はミニドラを強い武器に戦う
24歳の新村駿はミニドラを強い武器に戦う (撮影:山代厚男)

<JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品 事前情報◇25日◇西那須野カントリー倶楽部(栃木県)◇6956ヤード・パー71>

ゴルフのトーナメント会場は“ネタの宝庫”。ただ、そのすべてを伝えることはなかなか困難なこと…。そこで現場記者がコースを歩くなか“見た”、“聞いた”もののなかからちょっと気になった1つのテーマ、すなわち“ヒトネタ”をご紹介! 今回は国内男子ツアー「JAPAN PLAYERS CHAMPIONSHIP by サトウ食品」が行われている、西那須野カントリー倶楽部(栃木県)から。

【写真】ミニドラ&フニャフニャシャフトのパター

QT5位の資格で前半戦に挑んでいる24歳・新村駿。レギュラーツアーではここまで全試合に出場しており、予選カットがなかった第2戦「前澤杯 MAEZAWA CUP」の27位が最高成績。そのほかの大会はすべて予選落ちと苦戦が続いているだけに、後半戦に向けて流れを変えたいところだ。そんな新村のキャディバッグをのぞくと、ドライバーとパターがそれぞれ2本ずつ入っていた。

5月の「関西オープン」からテーラーメイドの新作ドライバー『R7クアッド ミニ』(以下、ミニドラ)を投入した。その心は、3番ウッドが苦手だから。

同クラブはロフト角が11.5度と13.5度の2タイプがあり、「苦手な3番ウッドの代わり」にバッグインしたもの。そのため、ドライバー並みの飛距離は求めておらず、13.5度のタイプを0.5度寝かして14度にして使用している。ロフトを寝かせた分、構えたときの見た目はつかまり顔だ。

3番ウッドは「(フェースの)下目に当たるとふけてしまうし、ちょっとあつく当てようとするとスピンが少なくなってドロップみたいな感じでめちゃくちゃ飛んでしまう。ミスをすると極端に飛ばない時があって…」と、いい時と悪い時の差が大きく、予測できない球がでてしまうことから苦手意識をもった。「ミニドラはフェースのタテの幅が、たぶん3番ウッドの1.5倍ぐらいあついで芯の広さもあって優しく感じる」と、その悩みを解消する一手として投入を決めた。

シャフトはドライバーと同じフジクラのベンタスを使用していて、硬さと重さは揃えており、長さが3番ウッドと同じ。ドライバーの平均キャリーが300ヤードで、ユーティリティが250ヤード。ちょうど、その中間になるのがミニドラの280ヤードとなっており「飛び過ぎないのも好き」と話した。

もともと2打目で3番ウッドを使う機会が少なく、ライがいいところで残り280~90ヤードぐらい残っているときぐらい。なので、このミニドラも「ティショットで使う機会のほうが多いです。ちょっと狭いよね、というところが打ちやすくなって、とにかく安心感がある」と狭く狙い目が限られているシーンで使うことが多く、そういったティショットでの精度が上がっているようだ。

今大会の会場である西那須野カントリー倶楽部(栃木県)は池やバンカーによりフェアウェイが狭いホールや、グリーンはマウンドや段が多く、的が絞られる。そんなセッティングのなかで「安心感のある」ミニドラは、「今週使うホールが多い」と話し、強力な武器になりそう。

さらに、試合で使用している『スパイダー ツアーX』とは別に「練習用です」と話すピン型のパターにはフジクラの練習用アイアンシャフト『MCIプラティクスアイアン プラス』がささっていた。このシャフトは通常のシャフトよりもやわらかく、アイアンなどショット用のクラブに入れられているのが一般的。なぜ、パターに?

まずはヘッドを変えている理由について。「いま使用しているスパイダーはストロークがオートマチックにできて、やさしい。ヘッドに助けてもらっているいので、あまり自分の技術がいらない。だからこそ自分の動きの感覚が鈍くなりガチ。でもプロとしてパターの技術は上げたいですし、クラブに頼りきらずに、というところで練習では難しいピン型にしています」と明かした。

ピン型は「芯を外すとブレも多いし、マレットと比べて再現性は低い。でも、手の感覚や距離感とか、そこを磨くための練習ではこれが一番いい」と、ストロークや距離感の感覚が自身の手からなくならないようにすることが目的のようだ。

そして、“フニャフニャシャフト”を入れている理由は「タイミングを取るため」。調子が悪いときは「パンチになりやすくて、動きが少し加速しやすい」タイプ。だからこそ、ストローク中にシャフトに動きがあることで「切り返しで少し間ができて、リズムが一定になりやすい」とテイクバックから切り返すときにタイミングを取ることができるのだ。普段の練習でメトロノームを聞きながら行うため、練習の質が上がることにつながっている。

パッティングのストロークは、ショットのスイングに比べて動きは小さいが、スイングと同じでタイミングを取ることが重要。高度な技術も持つプロゴルファーでも、土台となる基本動作にズレが生じることがある。アマチュアと違うのは、そのズレの幅が狭いこと。その狭さをつくっているのが、こういった工夫と地道な基礎練習ということを改めて感じた。(文・高木彩音)

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