実はこの寄せを支えていたのは“アゲンスト”と石川は明かす。グリーンを外す場合は、ショートサイドだとしてもアゲンストで打てる場所、ということを心掛けていたという。そうすることでボールの落下角度が垂直になりがちになるので、難しいライや速いグリーンでも、ボールが止まりやすくなる。パーセーブした9番、そしてチップインの15番はショートサイドからという寄せにくい状況。あえてこの場所を狙ったわけではないかもしれないが、結果的にアゲンストの風が石川を“後押し”して、ピッタリと距離を合わせるシーンが目立った。
6番のピッチエンドランは、風がフォローだった。だが、転がす距離は十分あったため、距離感を得るということには問題なかったのかもしれない。この状況を生み出したのも、マネジメントがあってこそ。『風が強くて…』と話す選手が多いなか、石川はそれを味方につけた。(文・笠井あかり)