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44歳・近藤智弘、『59』の裏にあった「線を合わせるか合わせないか」問題

44歳・近藤智弘、『59』の裏にあった「線を合わせるか合わせないか」問題

所属 ALBA Net
下村 耕平 / Kohei Shimomura

配信日時:2022年5月23日 16時00分

475ヤードの18番パー4は、平均スコア4.13の大会を通じて2番目に難しいホール。「最後は難しかったけどベストをつくしてやろう」。近藤はセカンドショットをわずかにグリーンの右に外すも、パターでカップを狙える位置にあった。距離は5メートル。打ったボールがカップに吸い込まれるとコブシを握りしめた。

この日、11個のバーディを沈めたパターは、なんと「試合でトライしたいなと思って」今年初めて投入したオデッセイ『ホワイトホットOG 2ボールブレードTOUR LINED』。市販品は2つの白い丸を貫くように黒い線が入っているが、近藤のものは赤い線が入った特別バージョンだ。今大会では6本のパターを持ち込んで、初日、2日目はブレード型、3日目は中尺と、「毎日違うパター」でプレーしていた。

「今年は一回も使ってなかったパターですけど、『2ボール』は去年も何回か使っていて、フィーリングがいいので使ってみた。スタート前からすごくいいフィーリングで、コースでもことごとく入った。何となく入ったのではなく、すごく感覚が良くて入ったので、僕のなかではうれしいです。初めてなんだけど、初めての感覚ではないというか。すごくいい感覚がきた。よくわからないんですけどね」と近藤は興奮気味に話す。

替えたのはパターだけではない。ボールに線を引いて、打ち出したい方向に合わせ、そこにヘッドの線を合わせるようにした。それ以前は「神経質になるから」とあえて線は合わせてこなかった。

「乱視の影響もあって、アドレスに入ると構えた線がどうしても左に見える。構えたら気持ち悪いから、去年は最終的に線を引かなかった。どのみち、きれいに向けないので。線は合っているけど、打つときに左に行きそうだから右に向いちゃう」。数年前から目標と目が合わない症状に苦しみ「線を合わせたり描かなかったり」試行錯誤してきた。

毎日違うパターを使い、大会2日目からボールに線を引き、最終日はアドレスに入ったあと「何回かカップを見ていくうちに合っていく」とルーティンも変えた。それによってグチャグチャに並んでいたパッティングのピースがピタッとそろった。

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