アジアンツアーと豪州ツアーの共催大会「ニュージーランドオープン」は、日本ツアーと提携しており21人の日本勢も参戦。そこでアジアンツアーのシード権を持つ池村寛世が、日本勢最上位の3位タイに入った。今大会の池村は、ティショットを打つとクラブを4~5本持って次打地点に向かう姿が印象的だった。
アマチュアゴルファーがセルフプレーの時に林に曲げたり、グリーンに向かう際に使用を想定するクラブを数本持つのと同じ光景だ。しかし、池村は2打目地点で使用するクラブというわけではない。
「キャディバッグが重くなるので、パターとウェッジ3本を持っているんです。4本ぐらい抜くと担げるというので」。池村のキャディバッグを預かるのは2018年から交際を始め、2024年5月に結婚した妻・琴音さん。日本ではおなじみの光景だが、アジアでも二人三脚でタッグを組んでいる。
「日本では電動カートが認められていますが、アジアではダメなんです」。日本ツアーではキャディが電動カートを使用するのは当たり前の光景になった。しかし、アジアンツアーでは手押しカートは認められているが電動カートの使用はNOだ。
日本での琴音さんは電動カートを使用しているが、アジアンツアーではそうはいかない。手押しカートはグリーンに上がれなかったり、わずらわしい点も多いため、担ぐことを選択している。軽量タイプのキャディバッグとはいえ、14本のクラブは重く負担がかかる。琴音さんは「10本契約です」と笑って話すが、妻に負担をかけない池村のやさしさである。雨が降った最終日はレインウェアやホットドリンクの水筒を入れて重量が増したため、5本のクラブを持っていた。
日本ツアー通算3勝目を挙げた昨年の「リシャールミル・チャリティ」では、結婚後初優勝。コース内だけでなく、食事面などコース外でもサポートしてくれる妻に感謝の言葉が並んだ。常に琴音さんが横にいてくれることで「担いでもらえるとすごく気が楽ですし、リラックスしてラウンドできます」。勝負の世界で戦う上で妻の存在はコース内でも欠かせない。アジアンツアーでは池村がクラブを持って歩くのは日常のことだった。
池村は日本ツアーと並行して23年からアジアンツアーにも参戦。24年に初シードを獲得し、今季もシード選手として日本とアジアンツアーを股にかけて戦う。「4年目ともなると、場慣れはしています。昔は海外の試合というだけで緊張していましたが、いまは顔見知りの選手も多く、慣れています。昔と成長した部分ですね」。アジアの舞台でも委縮することなく戦えている。
今季の目標は「日本ツアーとアジアンツアーの両方で優勝すること」。昨年は日本では優勝できたがアジアンツアーでは逃した。アジアンツアー2戦目で3位タイに入り上々のスタートを切った。今季も妻と二人三脚で、大きな目標に向かう。(文・小高拓)
