運悪くアゴの高いバンカーにつかまった。良いショットをしたのにちょっとだけショートしたことで目玉になってしまった。バンカーのトラブルでもっともミスが出やすいこの2つのシチュエーションに絞り、ミスを減らし、きっちり寄せる方法を覚えよう!(※本記事はALBA608号に掲載されました)
原口鉄也/74年生まれ。ツアー通算1勝。165センチとプロとしては小柄な体格だが、ツアー随一の理論派で多彩なテクニックには定評がある
100切りレベルはまず確実に脱出!
100を切るレベルのゴルファーでバンカーが得意という人をほとんど見たことがありません。苦手としている原因は、ボールを上げようとする動き。今回のテーマのアゴ高になると、一層上げる動きが強くなってミスが出てしまいます。上げようとしてしまうのは、バンカーからボールを出すための理屈をわかっていないからです。バンカーから高さを出すには、単純に砂を打つのではなく、砂の爆発する威力を大きくする必要があります。これは目玉も同じで、ボールを打つのでも、砂を取るのでもなく、砂を爆発させることが重要なのです。
ヘッドの重さを最大限に利用して砂を爆発させるには、高い位置からヘッドを落とす動きが必要です。腕力を使っても限界があり、またミート率も悪くなるので、砂を大きく爆発させるために、わざとダフる動きを覚えてください。
(POINT1)頭より高い位置からヘッドを落とす
ヘッドが落下する力を利用することが、爆発(エクスプロージョン)を生みます
高い位置から落とすほど、ヘッドが落下する力は大きくなり、砂の爆発は大きくなる。その爆発がボールを高く上げるコツ。逆にボールを上げようとすると体の軸が傾き、高い位置からヘッドが落とせない。軸は地面と垂直を保つようにしましょう。
(POINT2)ミート重視で短く握る
長く持った方が、ヘッドの重さを使えますが、ミート率は悪くなるので短く握る方が無難です。
(POINT3)フェースを開いておくと砂に潜り過ぎない
高い位置からヘッドを落とす際に、フェースは開いて構えてください。フェースを開かないと、リーディングエッジから砂に入って、ヘッドが深く潜るだけで、砂を爆発させることはできません。また、開いておくことで距離が出なくなるので、思いきって振ることができます。
(POINT4)目玉が極端な左足体重に構え、そのまま振り下ろす
左ヒザのポジションが変わらなければ、ボールの手前の狙った位置にヘッドを正確に落とせる。インパクトは打ち込んで終わりのイメージでいい。地面に向かって力を加えることで砂の爆発は大きくなります
アゴ高と同じで、ボールを上げようとしてはダメ。目玉のときは、ちょっと極端に左足体重で構えて、そのまま振る意識を強くもってください。アドレスから頭と左ヒザの位置を変えないように意識して振ることで、狙った位置にヘッドを落とすことができます。
インパクトの形はハンドファーストにしてください。上からヘッドを落とすときに、手首の角度をほどいてしまうと、入射角を鋭角にすることができません。またアゴ高と違って、目玉のときはフェースは開かずスクエアに構えて、リーディングエッジから砂に入れていきます。
アドレスからインパクトまでハンドファーストをキープ。手首の角度がほどけると、ヘッドを鋭角に砂に入れることができません