2017年マンシングウェアレディース東海クラシック最終日、トップと2打差の7位タイからスタートした川岸史果。3番から8番ホールまで6連続バーディを奪取するや、後半バック9でもふたつバーディを重ねて、見事逆転優勝を飾った。このシーズン、開幕戦から優勝争いを演じること8回目。7回悔し涙を流し、ようやく手にした初優勝だった。最終日のパーオン率はなんと89パーセント。グリーンを確実にとらえたショットの秘訣を聞いた。

川岸史果が堀琴音とツーショットスマイル【女子プロ写真館】

「最終日のスタート前に優勝は考えていませんでした。2日目にOBを打ってしまい、『このままでは終わらない。最終日は必ず巻き返す』と、そのことだけを考えていました」

パワーがあるぶん腕で振りにいってしまい、打ち急いでしまう悪いクセがあったのだという。

「打ち急いでしまうとダウンスイングで左肩が上がり、体が縦に回転してしまうんです。また、左肩が上がるとシャフトが寝て下りてきて振り遅れの原因にもなります」

特にショートアイアンの距離は、この打ち急ぎに要注意だったという。ドライバーでせっかく距離を稼いでも、打ち急いでグリーンを外していたらスコアはまとまらない。

「左肩を上げず、コマのようにレベルに回転したい。そのために私が気をつけたのは、両腕を長く使うことでした。アドレス時に両肩を前に出すように、背中を少しだけ丸めます。すると腕が長く使えて、自然に体が横回転するようになるんです」

ダウンスイングで右足を蹴る意識はないという。右足で地面を蹴ると左肩が上がりやすくなるからだ。

「ダウンスイングでたたまれていた右ヒジは、インパクトに向かって伸びていきます。ボールをヒットした直後に、両腕が伸びるイメージです。腕を長く使う意識を持っていると、スイングアークが大きくなり体の回転が自然にレベルになります。地面を蹴る意識も持っていません」

左右の目を結んだラインがアドレス時からまで変わらないようにすることも大事だという。目線が変わらなければ、左肩が上がることもない。川岸は口にティをくわえてスイングをして、目線を変えないようにしたという。口にくわえたティの見え方が変わらなければ、目線が変わっていないということだ。（2017年取材）