鈴木愛がツアーデビューした頃の初々しいドレス姿
「18年は30〜40ヤードの距離で思ったように寄せられないことがあり、フェースを開いて打つアプローチには自信がありませんでした。そこでシーズン開幕前、20、30、40ヤードの距離でフェースを開いて打ち、狙ったところにボールを止める練習をしました。ライがいいところでは比較的簡単に打てたのですが、芝が薄いところでもしっかりボールを上げられるようにすることを意識して、かなりの時間をこの練習に費やしました」
結果、5ヤードの近い距離でも正確に打てるロブショットを身につけることができたという。
「フェースを開けるだけ開いて、スタンスは軽くオープンに構えます。そしてスタンスに沿って、気持ちアウトサイドにヘッドを上げていきます。ボール位置は左足親指のつけ根の前あたり。前傾姿勢をキープして、バンスを滑らせてヘッドを低く入れていきます。フォローでフェースが自分の顔を向くように、体の回転でフェースをターンさせます。決して手先でフェースを返さないこと。手先を使ってしまうと、ボールがフワッと上がりません」
構えたとき怖がらずに、目標よりも右を向けてフェースを思い切り開くことが大事だという。フェースを開いていれば大きく振っても、飛びすぎることはない。逆にいえば、ロブを打つ場合は、飛距離が出ないので振り幅を大きくする必要があるということ。しっかり振り抜くことが肝要だ。
この年、鈴木は7勝を挙げて目標どおり再び賞金女王に輝いた。引き出しを増やしたアプローチが強い味方となったのはいうまでもない。(2019年取材)
