勝みなみ プロ初優勝に涙は無し
開催コースのエリエールゴルフクラブ松山は6525ヤード、パー72。当時の勝のドライバー平均飛距離は245ヤード。セカンドショットでは50度、54度、58度のウェッジ3本を使う機会が多かったという。そして大会4日間トータルのパーオン率は約85パーセントだった。グリーンを確実にとらえてバーディチャンスをつくったウェッジショットについて、試合直後に本人に聞いた。それでは、振り返ってみよう。
「私のウェッジのフルショットの飛距離は、50度で100ヤードちょい。54度は90ヤードちょいで、58度は80ヤードちょいです。ちょいというのは、体調や風の影響で日によって飛ぶときと飛ばないときがあるから。エリエールレディスオープンでは飛んでいました」
「飛距離が出ているときは、目いっぱいのフルスイングはしません。ボールをコントロールしきれなくなるからです。フルスイングのときのスタンスよりも、足幅半足分ずつ左右の足を狭めて立ちます」
つまり左右合わせて、1足分の足の幅だけスタンスを狭める。これだけで飛距離を2〜3ヤード抑えられて、しっかりコントロールした球が打てるという。
「残り100ヤード以下になるとピンが近くに見えるので、打ち急ぎのミスが出やすくなります。打ち急いで右ヒザが前に出ると、振り遅れになります。私は右ベタ足の意識で振り下ろしています。右足をベタ足で振ってくださいというと、手だけを使って振り下ろす人がいますがそれではしっかり番手の飛距離を出すことができません。体をしっかり回し続けることが大事です」
体を回し続けているからこそ、右ベタ足の意識で腕の振りと体の回転が同調するのだ。体の回転が止まってしまえば、手打ちになって引っかけもスライスも出る。ベタ足を意識するとどうしても体の回転が止まってしまうという人は、「トップで一瞬でいいから止まってみてください」と勝は教えてくれた。
残り100ヤードでグリーンを狙ったとき、飛距離を2〜3ヤードだけでもコントロールできると次のパッティングが楽になる。1メートルと3メートルのパッティングは、難易度も緊張感も大きく違うからだ。スタンスを狭め、右ベタ足で振り下ろし、しっかりボールをコントロールしてバーディチャンスを量産しよう。(2019年取材)
