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フットジョイの2025年モデルを徹底テスト! “令和の試打職人”石井良介が惚れ込んだシューズはどれ?

2025年に入ってから次々と新作シューズをリリースしているフットジョイ。特に『FJクオンタム』、『ハイパーフレックス』、『FJフューエル』の3モデルはツアープロの評価が高く、気になっているゴルファーも多いだろう。そこで今回は“令和の試打職人”こと石井良介プロに人気の3シューズのインプレッションを依頼。それぞれどんな特徴があり、どんなゴルファーに合うのかチェックした。

所属 ゴルフライター
田辺直喜 / Naoki Tanabe

配信日時:2025年5月27日 10時57分

写真左から『ハイパーフレックス』、『FJクオンタム』、『FJフューエル』。フットジョイのこだわりが詰まった2025年モデルのシューズはどんな性能に仕上がっているのか
写真左から『ハイパーフレックス』、『FJクオンタム』、『FJフューエル』。フットジョイのこだわりが詰まった2025年モデルのシューズはどんな性能に仕上がっているのか

世界的人気のシューズメーカー「フットジョイ」のスポーティな最新モデル

米国男子ツアーにおいて80年連続(1945年以来)で使用率No.1を獲得し、国内においても男子ツアーで平均使用率61.6%(今季日本プロゴルフ選手権終了時点)という驚異的な数値を残すなど、世界的な人気を誇るシューズメーカーがフットジョイだ。本革を使用したトラディショナルなモデルから、革新的なテクノロジーを搭載した高機能なものまで、ゴルファーの細かな要望に応えるゴルフシューズを世に送り出している。

今年もすでに多くの新製品がリリースされ、1月には軽量モデルの『FJフューエル』、2月には高機能ツアーモデルの『ハイパーフレックス』、そして4月には快適性を追求した新モデル『FJクオンタム』が発売となっている。いずれもスポーティなデザインに仕上げられたシューズだが、それぞれどんな特性を持ち、どんなゴルファーに合うのだろう。

そこで今回は、最新ギアの的確で分かりやすいインプレッションが人気のティーチングプロ石井良介にフットジョイの2025年モデルシューズの性能をチェックしてもらった。

いしい・りょうすけ。1981年生まれ、神奈川県出身。鋭い感性と豊富な知識で最新ギアの性能を見抜く“令和の試打職人”。ゴルファーの足元を支えるシューズにも強いこだわりを持っている

いしい・りょうすけ。1981年生まれ、神奈川県出身。鋭い感性と豊富な知識で最新ギアの性能を見抜く“令和の試打職人”。ゴルファーの足元を支えるシューズにも強いこだわりを持っている

『FJクオンタム』は「柔らかいのに踏める絶妙な作り」

最初に試したのは『FJクオンタム』だ。“雲の上の履き心地”をキャッチフレーズにした新モデルで、履き心地と歩きやすさの“快適性”にこだわって開発されている。


『FJクオンタム』の「ホワイト/ブルー」。アウトソール(靴底)の厚みと軽量性が特徴の最新モデルだ

『FJクオンタム』の「ホワイト/ブルー」。アウトソール(靴底)の厚みと軽量性が特徴の最新モデルだ

「足を入れたときの心地良さはNo.1ですね。足全体をふわっと包み込むような感覚で、クッション性が高いので快適に歩くことができますし、通気性の高さで足が蒸れません。カカトをしっかりホールドするような作りになっているので、コースを楽に歩けますし、その分、ラウンド後の疲労も少なくなります。カジュアルなデザインで使う場面を選ばないのも嬉しいポイントですね。ラウンド、行き帰りの移動、練習とさまざまな場面で活躍してくれます」(石井)

『FJクオンタム』最大のメリットは、快適かつ楽に歩けること。18ホールを終えた時の足の疲労感が段違いに少なくなる

『FJクオンタム』最大のメリットは、快適かつ楽に歩けること。18ホールを終えた時の足の疲労感が段違いに少なくなる

「驚いたのは、ただ柔らかいだけでなく、スイング時にはしっかり強く踏ん張れることです。アウトソール(靴底)がふにゃふにゃ過ぎると足元が不安定になりがちですが、『FJクオンタム』は柔らかさの中にもしっかり感がある絶妙な作りになっています。地面をつかむようなグリップ力も備わっていて全く滑りません」(石井)

『FJクオンタム』のアウトソールには、「マルチディメンショナルトラクション」というテクノロジーが採用されている。昨年人気となった『PRO /SLX』などにも採用されたテクノロジーで、スパイクレスでも全方向に高いグリップ力を発揮する。歩行時の快適性を追求しつつ、スイング時の安定感にも抜かりはないわけだ。

「足裏全体で地面をつかむ感覚でしっかり踏める」と石井プロ。『FJクオンタム』はスイング時の性能もハイレベルだった
スイング時の回転や横方向の動きを最適化する設計の「マルチディメンショナルトラクション」
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「足裏全体で地面をつかむ感覚でしっかり踏める」と石井プロ。『FJクオンタム』はスイング時の性能もハイレベルだった

「細かい話ですが、標準装備されている靴紐の作りも気に入っています。小さな凸凹が付けられているので、しっかりと紐を絞められますし、履いていても緩みにくくなっています。アッパーのメッシュ素材は防水性も備えているようですし、快適性というシューズとしての特徴を出しつつも、細部までこだわって総合的な性能を高めたモデルだと言えますね」(石井)

石井が特に気に入ったという『FJクオンタム』の靴紐。よく見ると小さな凸凹が付けられている

石井が特に気に入ったという『FJクオンタム』の靴紐。よく見ると小さな凸凹が付けられている

『ハイパーフレックス』は「ここ数年でリリースされたシューズの中でNo.1の性能」

2つ目にテストしたのは、ジャスティン・トーマスなど、ツアープロの愛用者が多い『ハイパーフレックス』。ツアーレベルのグリップ力、安定感を追求しつつも、スニーカーライクな快適性にもこだわって開発されている。

『ハイパーフレックスBOA』の「ホワイト/ブラック」。フットジョイのテクノロジーを結集し、効率的なスイングを実現するグリップ力と快適性の両立を図った高機能モデルだ

『ハイパーフレックスBOA』の「ホワイト/ブラック」。フットジョイのテクノロジーを結集し、効率的なスイングを実現するグリップ力と快適性の両立を図った高機能モデルだ

「個人的に一番気に入っているのは『ハイパーフレックス』で、ここ数年でリリースされたシューズの中でもNo.1の性能を持っていると思います。スニーカーのような動きやすさとゴルフシューズの踏ん張れる硬さを両立されていて、スイング中に必要な部分でブレーキがかかり、動かしたいところは動いてくれるので最大限にパワーを出していくことができます。どれだけ強く踏んでもシューズが負ける感じが一切なく、しなやかに動いてくれるのでツアープロの使用者も増えているのでしょう」(石井)

『ハイパーフレックス』にはフットジョイのテクノロジーが惜しげなく投入されている。中でもキモとなるのが「フレックス」つまり「硬さ」のコントロールだ。アウトソールには中足部にネジレを抑制する「パワープレート」を配置し、スパイクの間に細かな突起を付けることで強いグリップ力としなやかさの両立に成功している。

高いグリップ力で地面をつかみつつも、しなやかに足が動く『ハイパーフレックス』。現代の足を大きく使うスイングとの相性は抜群だ

高いグリップ力で地面をつかみつつも、しなやかに足が動く『ハイパーフレックス』。現代の足を大きく使うスイングとの相性は抜群だ

「足袋のように気持ち良く足にフィットしながらズレないようにホールドしてくれるのも『ハイパーフレックス』の魅力です。足をカッチリ固めようとするとシューズ自体がカッチリし過ぎて動きにくくなってしまいますが、『ハイパーフレックス』はスニーカーのような動きやすさが備わっています。特にアッパー部分のムチッとした素材が絶妙な硬さで、履いていてすごく気持ちいいです。細かい話ですが、アッパー部分のニットが改良されて、汚れに強くなったことも嬉しいポイントです。手入れが非常に簡単で、頻繁にラウンドをする競技志向のゴルファーにぴったりなシューズと言えますね」(石井)

シューズのタンの下が足の甲側を包み込むような作りになっているため、フィット感が抜群に良い
カカトの足に触れる面には柔らかい素材を使い、外側をしっかりした構造にすることで心地良く履けて、ズレないホールド感がある
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シューズのタンの下が足の甲側を包み込むような作りになっているため、フィット感が抜群に良い

『FJ フューエル』は「超軽量で疲れにくく、素足のような感覚」

さまざまな素材やテクノロジーを駆使して性能を高めた『ハイパーフレックス』に対し、『FJ フューエル』は使用するパーツの厳選を重ねて作り上げた超軽量のゴルフシューズだ。前作比約10%の重量ダウンに成功し、300グラム以下というランニングシューズ並みの軽さになっている。

『FJ フューエルBOA』の「ホワイト/ブラック」。軽量化を進めながらも、グリップ力など、スイング時の安定性も高めたツアーレベルのアスレチックシューズだ

『FJ フューエルBOA』の「ホワイト/ブラック」。軽量化を進めながらも、グリップ力など、スイング時の安定性も高めたツアーレベルのアスレチックシューズだ

「履いてみて最初に感じたのはカカトをガチッと固めるホールド力の高さです。シューズがズレない安心感があるのに、ものすごく軽いわけです。すでに『FJ フューエル』を履いて数ラウンドこなしていますが、スイング中のグリップ力も高いし、ネガティブな感想は全く湧きませんでした。ここまでしなやかで強靭さがある軽量シューズは今までにないですよ」(石井)

軽快に歩けて疲れにくく、ショット時のグリップ力も高い。『FJ フューエル』は軽量ゴルフシューズの一つの完成形と言えるかもしれない

軽快に歩けて疲れにくく、ショット時のグリップ力も高い。『FJ フューエル』は軽量ゴルフシューズの一つの完成形と言えるかもしれない

フットジョイが行った調査では約半数のゴルファーがゴルフシューズに求める性能として「軽量で疲れにくい」と回答している。シューズの“軽量化”はいつの時代でも必ず求められるキーワードだが、一方で、軽い「華奢で」「頼りない」といったネガティブなイメージも少なからず存在する。ある意味で、メーカーの開発力、技術力が最も問われるカテゴリなのだ。

『FJ フューエル』を開発するにあたり、フットジョイの出した結論は必要なパーツを厳選し、それらを全て軽量化すること。例えばアウトソールはシューズのグリップ力に影響が出ない範囲で溝を入れて、徹底的に軽量化。またカカト部分とアッパー部分の素材を変えることでシューズに必要なホールド力を持たせている。

カカト部分の黒い溝はアウトソールの軽量化のために付けられている。細部にこだわり、無駄なものを極限まで削ぎ落とすことで圧倒的な軽量化と高い性能を両立しているのだ

カカト部分の黒い溝はアウトソールの軽量化のために付けられている。細部にこだわり、無駄なものを極限まで削ぎ落とすことで圧倒的な軽量化と高い性能を両立しているのだ

「シューズにとって軽いは本当に正義ですよ。私も以前は、シューズは重い方が良いと思い込んでいましたが、『FJ フューエル』を履くと歩きやすいですし、ラウンド後の疲労が圧倒的に少なくなります。あとはアウトソールが薄めなので素足に近い感覚が得られることもメリットですね。グリーン上など、足の裏で傾斜を感じたい人にもピッタリではないでしょうか」(石井)

素足感覚で履けて、強く地面を蹴ってもズレないグリップ力を備えた『FJ フューエル』のアウトソール

素足感覚で履けて、強く地面を蹴ってもズレないグリップ力を備えた『FJ フューエル』のアウトソール

3つのシューズを選び分けるポイントは「履き心地」

フットジョイの2025年最新シューズ3モデルをテストした石井は、自分に合ったモデルを選ぶポイントは「履き心地」にあると話す。


写真左から『FJ フューエル』、『ハイパーフレックス』、『FJ クオンタム』のアウトソール。素材も作りも全く異なるため、当然「履き心地」に明らかな違いが出る

写真左から『FJ フューエル』、『ハイパーフレックス』、『FJ クオンタム』のアウトソール。素材も作りも全く異なるため、当然「履き心地」に明らかな違いが出る

「一番ガッチリしていて本革のシューズに近い履き心地なのが『ハイパーフレックス』です。適度な重量感もあるのでアグレッシブに足を使ってスイングするゴルファーと相性が良いでしょう。『FJ クオンタム』と『FJ フューエル』は軽いという意味では近いものがありますが、履き心地は全く別物です。『FJ クオンタム』はふわっとしていてすごく柔らかいですし、『FJ フューエル』はやや硬めでしっかり踏める感覚があります。どのモデルも快適性とグリップ力、スイングのしやすさなどを高い次元で両立できていますので、履いてみて自分が心地良いと感じるモデルを選ぶと良いでしょう」(石井)

今回テストを行った3モデルはいずれもゴルフシューズとして高い性能を持ちながら、それぞれの個性がしっかりと出ていた。ゴルフシューズを100年以上作りつづけている歴史を持ち、圧倒的な開発力を持つフットジョイだからこそ作れた高機能なシューズだと言えるだろう。100人のゴルファーがいれば100人分の好みがあり、良いと感じるシューズにも違いが出てくる。幅広いモデルをラインナップし、その全てが高い完成度を誇るフットジョイのシューズなら間違いなく、自分の足に合う最高のモデルが見つかるはずだ。

✦FootJoy(https://www.footjoy.jp/

取材協力/ブリック&ウッドクラブ 撮影/田中宏幸 構成/田辺直喜



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