デシャンボーの極太グリップの意味
『Jumbomax』の極太グリップは、海外のドラコン選手も使用している。左へのミスが出にくいのでハードヒット出来る上、カウンターバランスになるので、ドラコン用の長尺仕様にするのに有利なのだ。しかし、デシャンボーはドラコン選手のような理由でこのグリップを装着しているのではないだろう。
超アップライトなライ角と極太のグリップ。それが意味するのは、手首の動きを極力抑えたいという意図だ。極太グリップをハンドアップに構えると、手首は固定され、フレキシブルに動くことができなくなる。もちろん、スイング中に全くコッキングがないわけではないが、デシャンボーのスイングは手首の動きが非常に少ない。コッキングが上手く出来ないと言われる一般アマチュアとは対照的だ。
かつてのジャック・ニクラウスやアーノルド・パーマー、リー・トレビノらの時代と異なり、スイングに大きな個性がなくなりつつある現代のツアープロ。その中で、デシャンボーの個性はとびきりの光彩を放っている。『RBCヘリテイジ』でプロデビューした彼のこれからの活躍が待ち遠しい。
コヤマカズヒロ / ゴルフコラムニスト
99年に大手ゴルフショップチェーンの立ち上げに参画。
ゴルフギアに関しては、性能面はもちろん製造・流通まで
幅広い知識のある異色のライター。
1974年 広島生まれ