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アンカリング打法の規制から1年余り、ツアープロの対策とは?

text by kazuhiro koyama

配信日時:2017年2月23日 08時00分

アダム・スコット、ベルンハルト・ランガー…長尺愛用者の対策はさまざま

2016年、アダム・スコットは短尺パターで『ザ・ホンダ・クラシック』『WGC-キャデラック選手権』の2勝。スコットのように徐々に移行の成果が出ている選手もいれば、ウィークポイントになってしまっている選手もいる

2016年、アダム・スコットは短尺パターで『ザ・ホンダ・クラシック』『WGC-キャデラック選手権』の2勝。スコットのように徐々に移行の成果が出ている選手もいれば、ウィークポイントになってしまっている選手もいる

 これまで中尺・長尺パターをアンカリング打法で打っていたゴルファーにとって、ルール規制後は大きく分けて4つの対策が考えられる。

(1)中尺・長尺パターをそのまま使う

 ひとつめは、これまで通り中尺・長尺パターを使用し、アンカリング打法で打たないことだ。つまり、胸やお腹で支点を作らずにストロークする。代表的な選手は、ベルンハルト・ランガーで、これまでと同じように長尺パターを使用しているが、グリップエンドは、(いささか微妙に)胸についていないスタイルだ。

 固定出来なくても、慣性モーメントの大きい長尺パターにはメリットがある。スタイルをあまり変えずに済むので、これまでの練習やノウハウが活かせるのも大きい。日本でも大江香織などがこの方法だ。

(2)クロウグリップを採用する

 シャフトが長いパターを使わなくても、手を添えるように使うクロウグリップを採用して、長尺パターのイメージに近いストロークをする選手も存在する。代表的な選手は、アダム・スコットだ。2013年は長尺パターを使った選手として、初めてマスターズを制し、世界ランキング1位にまで上りつめた。ルール規制が決まってからは、パッティングの不調に苦しんできたが、大型マレットパターをクロウグリップで使うスタイルで、2016年は2勝をあげた。

 中尺・長尺プレーヤーでなくても、パッティングに悩む選手にクロウグリップは効果が高いようだ。フィル・ミケルソンやセルヒオ・ガルシアが、一時期採用していたことは記憶に新しい。

(3)アームロックなどの別の打法で打つ

 シンプソンやクーチャーのように、アームロック式で打つなど、新しいスタイルで打つ選手も少なからず存在する。彼らは、普通のスタイルでも試したが、上手くフィーリングが出なかったのだろう。パッティングとショットやアプローチを別で考えたいプレーヤーは、大胆に別のスタイルを選択する場合が多い。

 中尺・長尺プレーヤーではないが、ワンレングスアイアンが話題のブライソン・デシャンボーは、先日サイドサドル式でパッティングしたのが話題になった。サイドサドルとは、サム・スニードが考案した、身体をカップに正対させて、パターを身体の横で使うスタイルだ。デシャンボーのパターは、ルール違反という指摘を受け、現在は協議中のようだが、サイドサドルを採用する選手は今後も出てくるかも知れない。

(4)一般的な長さ、パットスタイルに移行する

 一般的な長さのパターを普通のスタイルで使う選手もいる。おそらく、ほとんどの中尺・長尺プレーヤーが、一度はこの方法を試しただろう。しかし、芳しい成果をあげている選手はあまりおらず、昨年のマスターズ初日で、6パットを記録したアーニー・エルスのように、ウィークポイントになってしまうケースも多い。

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