QP 「シャフトが合わないのに、凄いミス許容…」
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答えは、キャロウェイが現在持つ最新・最高のテクノロジーと、最大性能を引き出すために、ハイグレードな最高素材を潤沢に使ったこと。前回のアイアン・UT編でもその軽量素材からなるプレミアムな性能に「シャフトが合わないのに凄い」と驚いたQPさんだが、アベレージゴルファー向けのウッド試打に慣れっこな彼のこと。『グレートビッグバーサ』のFWやドライバーについてはどう感じるだろうか?
QP 「3Wは“上がる”ミニドライバー」
つまり、大型化・軽量化が必要になるにつれ、カーボン素材の分量が増える図式ということだが、3Wを構えるなりQPさんがつぶやく。
「おっ、でっかいね〜〜、安心感がすごいある。ドライバーもそうだけど、キャロウェイさんがウッドをやさしく作ると、こういう三角形っぽい形になるよね。そうか、やっぱり重心を深くしたいんだろうね〜、多分だけど……。(打ってみて)うぉ〜〜、なのに抜けイイねェ〜〜。こんなにでっかいのに抜けがすごくイイ。
(弾道の伸びを見ながら)行くねぇ〜〜、いきなり240キャリー!!!(奇声)飛ぶねぇ〜、ボールスピードも67m/s出てますよ、ホント速いね、自分のFWだと当たった時のボールスピードって感じですよ。一発目からそんないい数字出ないもん。なんかドライバーを打ってるみたい。2球目も67m/sでトータル250以上出たよ!」
「めちゃくちゃ弾くし、3Wというよりミニドライバーみたいだけど、打ち出しが16度でそれよりも遥かに上がる感じになるね。今、シャフトがしなるからトウダウンしてトウに打点を外しちゃったんだけど、フェースが面長でミスヒットでも関係なく飛ばしちゃうね。
このクラウンのグリーンっぽいグレーというか、独特な色もいいよね。ほら、昔の『グレートビッグバーサ』とか、その後の『ビゲストビッグバーサ』も三角形っぽいグレーのクラウンで、少し差し色に緑のイメージがあったじゃない。あの頃の楽しい感じが蘇るね!」
1990年代のメガヒット作を例に、初代『グレートビッグバーサ』から『ビゲストビッグバーサ』が出た頃の強烈な記憶を思い出すQPさん。グリーンがかったグレーのカラーリングが当時の興奮を蘇らせるという。
QP 「重心深いドライバーが苦手だけど、イイ!どのメーカーにも本当は…」
「安心感はすごいあるんだけど、ボクは重心が深いドライバーが苦手なタイプなのよ……。ほら、一球目からボールスピード71m/sと初速は出るんだけど、スピン量が3000回転以上入っちゃったね……。アレっでも、軽いししなるけど260以上キャリーが出たね。いやぁ〜〜、ボクもそろそろこういうのに変えようかな……。
基本的にドロー傾向だね。『ビッグバーサB21』もかなりつかまる傾向でしたけど、あれをもっと日本人寄りにした感じかな。さらに軽量化したのに慣性モーメントを落とさずつかまりをキープさせた形ですね。こういう深重心なドライバーの割に、ボクにとってスピン量は少ないほう。他のモノなら4、5000回転入ることもあるもん!」
そしてスーパープレミアムに装いをガラリと変えた『グレートビッグバーサ』シリーズ全体を「隙がないクラブになったし、本当は、どのクラブメーカーにも作ってほしいクラブ」と、しみじみ振り返った。
いつも言うんだけど【上から下げたクラブと下から上げたクラブは違う】。ツアー現場で達成したものを皆さんに使えるようにするのと、元々アマチュア向きなものを誰でも使えるようにって、発想がまるで違う。元々可変スリーブとか重いものを取って軽くすると何かが失われていくんだけど、元々軽く作っておいて【上げる発想】になると、こうやってテクノロジーがプラスしてくる。
アベレージゴルファー、多くのアマチュアの使いやすさだけを考えて、究極にプラスの発想で作り込まれたクラブだよね。だから素材もコストも値段も度外視だし、普通のクラブ開発の発想とはまったくやり方が違う。だから、こういうシリーズというのは【本当は、どのメーカーにも、必要】だと思いますね」
キャロウェイのものづくりの姿勢に共感しつつも、全てのメーカーを応援する、熱い気持ちで締めたQPさん。その言葉が【ドリームモデル】の希少性、存在価値を物語っていた。
Text/Mikiro Nagaoka