【大賞】テーラーメイド『M1 460』
しかし、発売後のインパクトは大きかった。まず、これまでゴルフ界では、商業的な失敗作が多かったカーボンコンポジットを採用したこと。見た目にもそれとわかる斬新なデザインで、ややもすると拒否反応を起こしそうなゴルファーもいそうなものだが、打ってみると、スピン量が少なめの伸びのある弾道がオートマチックに出る。
縦方向と横方向に配置されたスライドウェイトも画期的で、細やかな弾道の調整が可能になった。これによって、構えたときの見た目を変えずに、ボールの上がり方やつかまり度合いを調節出来る。もっとも、私の場合は購入後、ほとんどウェイトをいじらなかった。ヘッドの基本性能が高く、デフォルト位置でもバランスの良さが感じられた。
昨今のテーラーメイドを取り巻く環境は厳しく、アディダスからの身売りの話題も賑やかだ。そんな中で、失敗のリスクを負ってでも革新性のあるドライバーをリリースした、メーカーとしての意欲的な姿勢に意気を感じる。ジェイソン・デイやダスティン・ジョンソンの活躍もあり、ゴルフクラブの歴史に残る名作になった。
2016年は、国内メーカーに存在感のあるドライバーが生まれた一方で、海外メーカーでもエポックメイキングなクラブがいくつも登場した。すでに『M1』、『M2』の後継モデルがアメリカでは発表されており、ローリー・マキロイが使用するという噂のあるキャロウェイの最新モデルも登場間近だ。2017年は、このあたりの注目作を中心に、ゴルファーの関心を呼びそうだ。
