男女契約プロの声では「1.5〜2m/s増」
今後同社のドライバーはカーボンフェースのみとなる「カーボンウッド時代の幕開け」で、チタンドライバー時代を終わらせるという。一際目を引く情熱の赤。そして、大きくなったフェースがそれだが、まず発表会に登壇した同社契約プロの塩見好輝、池村寛世、石坂友宏、永峰咲希、松森彩夏、山路晶、鶴岡果恋の7人の声を聞いた。
「本当にカーボンフェースでボール初速が出るのか?」。飛距離への影響度が7割とも言われる部分だけに、最も気になるのがゴルファー心理だと思う。
また、女子ツアーの飛ばし屋・山路は、フェース面積が『SIM』よりも約20%広がったことで「ミスしても飛距離が落ちずビックリ」と恩恵を語る。また昨季平均飛距離243.81ヤード(17位)で、今年から契約を交わした鶴岡も『ステルスプラス』で「キャリーが227から240に伸びて、多めだったバックスピン量も2800くらいだったのが2400rpmくらいまで落ちました」と話す。
コリン・モリカワも「こんなジャンプは初めて」
「実際にボールスピードの増加がありました。こんな上がり方を見たのは初めて。もう少しボールスピードが上がれば、もう少し飛距離が出るので、強い武器になります。カーボンなのに通常のチタンフェースと変わらない好感触で、信じられないです。赤いフェースですが、5球ほど打つともうそこは考えなくなりました。アドレスをした時、とても綺麗なフェース面に見えます」(コリン・モリカワ)
去年のPGAツアーのスタッツで、平均ボールスピードが「168.62mph」だったモリカワだが、開幕戦を『ステルスプラス』でプレーして「169.91mph」に上がっていた。中にはドライバー以外のショットも含まれるはずだが、それは他の選手も同じ。そして、開幕戦に出場した他契約の選手は昨年よりボールスピードを落としていた。
「ソニー・オープン」で使用者激増!初速は?
では、実際にボール初速はあがっていたのか?今季(2020年10月〜今大会)の平均ボール初速と、『ステルス』を投入した「ソニーオープン・イン・ハワイ」のボール初速との差を調べてみた。全選手のデータが取れているわけではないが、ご覧の通りだ。
ケビン・チャッペル 171.19⇒175.46mph(+4.27)
ルーカス・グローバー 168.52⇒170.32mph(+1.8)
ライアン・パーマー 171.57⇒173.77mph(+2.2)
塩見や石坂、池村たちは1.5〜2m/sのボール初速アップは【いい当たりをした時の最大値比較】であったのに対し、今回のPGAツアースタッツは【試合で計測された平均値】。カーボンフェースは、チタンフェースをこれまで使ってきたPGAツアーの猛者たちに確実にボール初速の恩恵があると分かった。
本当に、飛距離は伸びるのか?
ディラン・ウー 295.2⇒309.5y(+14.3y)
ライアン・パーマー 307⇒318.5y(+11.5y)
ルーカス・グローバー 298.5⇒302.6y(+4.1y)
キーガン・ブラッドリー 305.3⇒308.9y(+3.6y)
キーガン・ブラッドリーやディラン・ウーは、その他の2人ほどボール初速のデータとしては上がっていなかったが、飛距離が伸びたのはハワイの固い地面のせいか、それとも『ステルスプラス』の低スピン性能の恩恵か。いずれにせよ、打ち下ろしの多かったカパルアの初戦「セントリー」よりフラットなロケーションで飛距離が伸びたというのは注目ポイント。
シャフトは『ツアーAD UB』のまま『SIM2 MAX』からヘッドを『ステルス』に交換して、4日間平均302.6y(26位タイ)をマーク。昨季の国内男子ツアーでは平均飛距離が297.5yだったが、アマチュアもカーボンフェースの恩恵を受けると言えるだろうか。