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現代クラブへの違和感、感性を重視した石川遼のドライバー選び

国内男子ツアー最終戦「ゴルフ日本シリーズJTカップ」に前年度覇者として参戦した石川遼。結果は6位と連覇を果たすことはできなかったが、新エースドライバー候補の好感触、という大きな収穫を得た。"新エース候補"は最新モデルや未発表の次期モデルではなく、何世代も前のヘッドだった・・・。

配信日時:2016年12月8日 18時30分

このドライバーがあればW杯で足を引っ張らずにすんだのにな(石川)

「見た目の印象で振っていけるし、叩いていける」と大会を通じて"新エース候補"に合格点を与えた

「見た目の印象で振っていけるし、叩いていける」と大会を通じて"新エース候補"に合格点を与えた

 十分にテストを重ねていただけに実戦でも好感触で、初日に「(スッキリした)見た目の印象で振っていけるし、叩いていける。音も抑えられている。最近のクラブは”音だけは一丁前”のものも増えてきていますが、振れているのか?振れていないのか?が分からない場合も。このクラブは『もっと振っていってもいいんだ!』って思えるんです」と絶賛。
 
 また3日目終了時には「ドライバーはここまで大会を通して平均点以上といっていい。フェースがストレート目に見えて、本当に真っすぐのイメージが出しやすい。最近のクラブはフックフェースでアップライト目、つかまるイメージが強い。自分はドローヒッターなので右に出していきたい。ですが、より右に打ち出そうとしていくとハンドファーストがキツくなり、上から潰していくスイングになる。(XR16を使った)先週のW杯は低いフックのようなミスが多くありましたが、このドライバーがあれば、少しは足を引っ張らずにすんだのかな」と、投入を早めておけばと、、という思いも口にするほどだった。

 話を聞くたびに出てくる、現代クラブへの違和感。練習を頻繁にすることのない月イチゴルファーにとっては、ナイスショット感を演出してくれる打音は購買を左右する重要な要素だが、プロにとっては感覚と実際の結果にズレを生まえてしまう。またプロユースのアスリートモデルでも、やさしく球をつかまえる、という部分がアピール要素となっている昨今の傾向は、プロにとっては弊害になることがある。旧モデルを使う意味=現代クラブへの違和感を感じないで済む、ということだ。
すでにワールドカップでも使用している"新3番アイアン"も含めて、PGAツアーで結果を残すためのセッティングが固まってきているか

すでにワールドカップでも使用している"新3番アイアン"も含めて、PGAツアーで結果を残すためのセッティングが固まってきているか

 ただ石川は現代モデルを否定し、旧モデルを選ぶことを前提にする考えに舵を切ったわけではない。「つねにいいクラブがあれば(というスタンス)。古いモデルを試し続けるというよりは、僕が小さいヘッド派なので自分のニーズに合ったものをキャロウェイさんの数多くのヘッドのなかでサポートしてもらっている。いまは460ccが当たり前ですが、今後のクラブ開発のなかで、『ヘッドが小さくてもやさしい』『ヘッドが小さくても飛ぶ』というモデルが出てくるじゃないかと思っている」とクラブ開発に高い期待も持っている。

 ロングアイアンは、その期待に叶ったものが見つかった。新エース候補とともにテストを開始し、ドライバーに先行して実戦投入した3番アイアンは現行最新モデルの『スティールヘッドXR』。市販品に3番アイアンはないため、3番相当のロフトをつけた“RYOスペシャル”だが「球の高さが1番手以上。3番アイアンは4番アイアンよりも高い弾道で距離も出る。W杯でも活躍してくれた」とセッティングのなかに組み込まれている。

 「番手間のギャップもまだありますし、本当にちょうどいいと思えるものを揃えるのは難しい」と語るように、飛びすぎる3番ウッドのロフトを寝かせて4番ウッド相当に調整し、3番アイアンとの距離差を詰めることを検討。日本シリーズでは64度のロブウェッジも入れた。PGAツアーで結果を残すための最良の14本は徐々に固まりつつある。

文・標英俊/撮影・福田文平

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