卓越したパワーが生み出す“規格外の飛距離”
先日行われた日米ツアー共催競技『TOTOジャパンクラシック』に出場した際、話には聞いていたものの、実際に目の当たりにした生のジュタヌガーンの迫力に度肝を抜かれた。TV中継を見て驚いた方も多いのではないだろうか。この選手、とにかく飛距離がすごいのだ。
米国女子ツアーでの飛ばし屋の代名詞と言えば、レキシー・トンプソンが有名だ。5月の『ワールドレディスサロンパス杯』で優勝した際は、300ヤードを超えるショットを放ち、日本屈指の飛ばし屋・渡邉彩香をゆうにアウトドライブした。
そのレクシーを凌駕するジュタヌガーンの特筆すべき点は、なんとバッグにドライバーを挿していないこと。ティショットは3番ウッドのほか、アイアン型UTの2番を多用する。それでも他のほとんどの選手のドライバーよりも飛距離が出る。
『TOTOジャパンクラシック』の開催コース・太平洋クラブ美野里コースの17番ホール。470ヤードと短いパー5で多くの選手が2オンに成功していたが、ジュタヌガーンはなんと、アイアン型の2番UTでティショットし、2打目も同じ2番UTで2オンに成功した。今年の全米プロの最終日最終ホールで、ジェイソン・デイが2番アイアンを2回使ってパー5を2オンし、イーグルを奪ったシーンを彷彿させる、まさに規格外の女子選手だ。
シーズン当初は、ドライバーを入れていたようだが、これだけ飛べば、ドライバーが必要ないというのは無理もない。セットからドライバーを抜けば、上はスプーン、下はウェッジまで、小ぶりなヘッドで揃えられるので、各番手の振り感は揃えやすい。それを裏付けるように、ジュタヌガーンは3番ウッドも比較的小ぶりなモデルを使っている(※テーラーメイド「エアロバーナー」)。ヘッドが小さく、振りやすいクラブをしっかりと振ることで、その卓越したパワーをより活かしていると言えそうだ。
