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2番UTで豪快ショット!ドライバーを抜いたアリア・ジュタヌガーンの戦略

text by kazuhiro koyama

配信日時:2016年11月25日 20時00分

アイアン型の2番UTでのティショットするアリア。『TOTOジャパンクラシック』の短いパー5では同クラブ“2発”で2オン(PHOTO by Getty Images)
アイアン型の2番UTでのティショットするアリア。『TOTOジャパンクラシック』の短いパー5では同クラブ“2発”で2オン(PHOTO by Getty Images)

卓越したパワーが生み出す“規格外の飛距離”

 米国女子ツアーは、5勝をあげたタイのアリア・ジュタヌガーンが賞金女王となり、今季のツアーをリードし続けた天才プレーヤー、リディア・コを抑え年間最優秀選手にも輝いた。

 先日行われた日米ツアー共催競技『TOTOジャパンクラシック』に出場した際、話には聞いていたものの、実際に目の当たりにした生のジュタヌガーンの迫力に度肝を抜かれた。TV中継を見て驚いた方も多いのではないだろうか。この選手、とにかく飛距離がすごいのだ。

 米国女子ツアーでの飛ばし屋の代名詞と言えば、レキシー・トンプソンが有名だ。5月の『ワールドレディスサロンパス杯』で優勝した際は、300ヤードを超えるショットを放ち、日本屈指の飛ばし屋・渡邉彩香をゆうにアウトドライブした。

 そのレクシーを凌駕するジュタヌガーンの特筆すべき点は、なんとバッグにドライバーを挿していないこと。ティショットは3番ウッドのほか、アイアン型UTの2番を多用する。それでも他のほとんどの選手のドライバーよりも飛距離が出る。

『TOTOジャパンクラシック』の開催コース・太平洋クラブ美野里コースの17番ホール。470ヤードと短いパー5で多くの選手が2オンに成功していたが、ジュタヌガーンはなんと、アイアン型の2番UTでティショットし、2打目も同じ2番UTで2オンに成功した。今年の全米プロの最終日最終ホールで、ジェイソン・デイが2番アイアンを2回使ってパー5を2オンし、イーグルを奪ったシーンを彷彿させる、まさに規格外の女子選手だ。

 シーズン当初は、ドライバーを入れていたようだが、これだけ飛べば、ドライバーが必要ないというのは無理もない。セットからドライバーを抜けば、上はスプーン、下はウェッジまで、小ぶりなヘッドで揃えられるので、各番手の振り感は揃えやすい。それを裏付けるように、ジュタヌガーンは3番ウッドも比較的小ぶりなモデルを使っている(※テーラーメイド「エアロバーナー」)。ヘッドが小さく、振りやすいクラブをしっかりと振ることで、その卓越したパワーをより活かしていると言えそうだ。

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