飛ばしに有利なのは、長尺か短尺か?
渡邉の使用するドライバーは、ブリヂストンの『J015』。同社のカスタムフィッティング専用モデルで、認定クラフトマンが在籍するショップでのみ取扱をしているドライバーだ。
シャフトは、グラファイトデザインの『TOUR AD PT-6』を44.75インチと短めで使用している。シャフトの硬さは飛ばし屋らしく、Xフレックスだ。このヘッドとシャフトの組み合わせは、試合でも変わらない。
一方、エントリーしたプロの中には、シャフトを長めにして、飛距離をのばそうとした選手もいる。8月にプロ初優勝を果たした、ささきしょうこは、普段はロフト角10.5度で、50gのシャフトをSフレックスで使用しているが、ドラコンでは、ロフト角はなんと8.5度。シャフトを40g代と軽くした分、47インチにまで伸ばした。硬さは、Xよりもさらに硬い、TXフレックスだ。これは長くした分、しなり量が大きくなるのでその対策だろう。
成田美寿々は、出場選手最長の47.25インチのクラブを使用した。ドラコン選手の大半が、ルール限界までシャフトを長くしているように、飛ばしにはシャフトが長いほうが、ヘッドスピードがあがり、有利になる。
しかし、それはあくまでも振り切れればの話。振り切るということであれば、ある程度、短いほうが振りやすい。ゴルファーのあいだでも、長くしたほうが飛ぶ、いや短いクラブで振り切ったほうが飛ぶという両極端の意見がある。あえて、ドラコン用に長尺シャフトを使用した彼女らと、44.75インチを使う渡邉彩香とは、長尺VS短尺という、ある種のイデオロギーの戦いにも見えた。
今年の結果で言えば、自身のポテンシャルを、使い慣れたドライバーと硬めのボールとの組み合わせで遺憾なく発揮した、渡邉彩香の圧勝と言えるだろう。もちろん、ゴルファーの体力やスイング等によって、この結論が変わるのは言うまでもない。
アマチュアが簡単に真似の出来そうなのは、やはりボールだろう。といっても硬めのボールを使えばいいというものではない。自分のスイングやパワーに合わせて、打ち出し角とスピン量が適正になるものを選びたい。
難しいことはわからなくても、ホームコースなどで打ち比べてみると、ボールによって、打ち出し角の高さの差や、飛距離の差が出るのが何となく分かるはずだ。打ち慣れたクラブで、より飛ぶボールを選ぶ。飛ばし屋、渡邉彩香から、一般のアマチュアが学べるところは、まさにこの点だろう。
渡邉彩香が使用したドライバー、ブリヂストンゴルフ『J015 オレンジカラー』の詳細はこちら【外部リンク】
渡邉彩香が使用したボール、ブリヂストンゴルフ『ジョーカー』 の詳細はこちら【外部リンク】
