“スチールは設計自由度がない”は過去の言葉!モーダスにみる潮流
石川遼が長年愛用したスチールシャフトを変更
石川遼が「RIZAP KBCオーガスタ」から使用し、注目を集めているのが日本シャフトの『N.S.PRO MODUS3』だ。前回の記事でも書いたように、石川がプロ入り以来愛用しているのは、1980年に発売されたロングセラーシャフト『ダイナミックゴールド(以下DG)』。石川は重量精度の高い『ダイナミックゴールド ツアーイシュー』を使用していた(⇒【関連】石川遼の“復活優勝”を支えたギア変更とは?を参照)。
『DG』が長年愛用されているのは、もちろんシャフトが優れていることもあるが、独特の粘り感と重量感への慣れにより、ほかのシャフトに移行しづらいことも原因。アマチュアのあいだにも『DG』以外は使えないという声は少なくない。
しかし、『DG』の粘り感は、特にロングアイアンなど長い番手を打つのに適さないという指摘もある。しなり戻りが緩やかで、タイミングが取りにくく、入射角も鋭角になりやすいためだ。おそらく、シャフトの先端をカットして硬度をあげるなど、微調整をしているプロは少なくないだろう。
PGAツアーでは、『プロジェクトX』や『KBSツアー』といった新しいスチールシャフトが、すでに主流になりつつあるし、『DG』からも『AMT』という、長い番手を軽くして振りやすくしたモデルが登場している。『DG』が圧倒的シェアだったアイアンシャフトが30年を経て、まさにいま変わろうとしているのだ。
『N.S. PRO MODUS3』もそのトレンドにマッチしたシャフトだ。今年は、ヘンリック・ステンソンが使用し、「全英オープン」で優勝。「リオ五輪」でも銀メダルを獲得した。石川遼の変更も、こうした時代の潮流にかなったものだ。
