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“スチールは設計自由度がない”は過去の言葉!モーダスにみる潮流

text by kazuhiro koyama

配信日時:2016年9月15日 12時00分

“スチールは設計自由度がない”は過去の言葉!モーダスにみる潮流

石川遼が長年愛用したスチールシャフトを変更

石川遼の使用でこれまで以上の注目を受けている『N.S.PRO MODUS3』

石川遼の使用でこれまで以上の注目を受けている『N.S.PRO MODUS3』

 今季、半年間におよぶ長期欠場を余儀なくされていた石川遼。だが本格復帰戦と位置づけた「RIZAP KBCオーガスタ」で早々と優勝し、相性の良い大会である「フジサンケイクラシック」では2位と、まだまだ本調子ではないものの、すでに男子ツアーの主役といった雰囲気を醸している。松山英樹とともに「日本オープン」の出場も決定し、国内ツアー秋の陣は石川遼を中心に回りそうな気配だ。

 石川遼が「RIZAP KBCオーガスタ」から使用し、注目を集めているのが日本シャフトの『N.S.PRO MODUS3』だ。前回の記事でも書いたように、石川がプロ入り以来愛用しているのは、1980年に発売されたロングセラーシャフト『ダイナミックゴールド(以下DG)』。石川は重量精度の高い『ダイナミックゴールド ツアーイシュー』を使用していた(⇒【関連】石川遼の“復活優勝”を支えたギア変更とは?を参照)。

 『DG』が長年愛用されているのは、もちろんシャフトが優れていることもあるが、独特の粘り感と重量感への慣れにより、ほかのシャフトに移行しづらいことも原因。アマチュアのあいだにも『DG』以外は使えないという声は少なくない。

 しかし、『DG』の粘り感は、特にロングアイアンなど長い番手を打つのに適さないという指摘もある。しなり戻りが緩やかで、タイミングが取りにくく、入射角も鋭角になりやすいためだ。おそらく、シャフトの先端をカットして硬度をあげるなど、微調整をしているプロは少なくないだろう。
“DG1強”からの変化してきているアイアンシャフト戦線。『N.S. PRO MODUS3』も時代の潮流にかなったもの

“DG1強”からの変化してきているアイアンシャフト戦線。『N.S. PRO MODUS3』も時代の潮流にかなったもの

 パーシモンドライバーの時代に登場した、『DG』と比較して、現在は大型チタンヘッドとカーボンシャフトとの相性がよいアイアンシャフトが、リリースされ始めている。

 PGAツアーでは、『プロジェクトX』や『KBSツアー』といった新しいスチールシャフトが、すでに主流になりつつあるし、『DG』からも『AMT』という、長い番手を軽くして振りやすくしたモデルが登場している。『DG』が圧倒的シェアだったアイアンシャフトが30年を経て、まさにいま変わろうとしているのだ。

 『N.S. PRO MODUS3』もそのトレンドにマッチしたシャフトだ。今年は、ヘンリック・ステンソンが使用し、「全英オープン」で優勝。「リオ五輪」でも銀メダルを獲得した。石川遼の変更も、こうした時代の潮流にかなったものだ。

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