ブックマーカーの予想が的中したリオ五輪
そのため、PGA TOURのパワーランキング(優勝候補ランキング)でも、英国の主要ブックメーカーでも優勝候補の筆頭は、スウェーデンのヘンリック・ステンソンだった。『全英オープン』での圧勝劇が記憶に新しいステンソンが、ビッグ3のいないフィールドで一番の実力者であり、予想は順当なものだと思う。結果的に最終72ホール目まで持ち込まれた末での2位と、世界トップクラブの実力を発揮したと言えるだろう。
ステンソンに続いて、大会前に評価が高かったのがセルヒオ・ガルシアと優勝したジャスティン・ローズだった。欧州勢ばかりが好評価だったのには理由がある。開催コースのオリンピックゴルフコースは平坦な敷地で風が強い“典型的なリンクスコース”だったため、全英を優勝したステンソンを筆頭にリンクスを得意としている欧州の選手が、有利と考えられたのだ。
そこへいくと、日本代表の池田勇太、片山晋呉の両選手はコースとの相性でも不利に働いたように見える。二人合わせて国内40勝以上しているが、優勝はいずれも樹木でセパレートされた日本的な林間コースや丘陵コースだ。リンクスタイプのコースで行われるミズノオープンなどでは、両選手とも過去の成績が振るわない。
ショットの精度の高い彼らは、狭いところや木があるコースのほうが、目標を絞りやすいのではないかと思われる。一見どこに打っていいのかわからないようなリンクスの舞台では上手くショットのイメージが作れなかったのも成績の振るわなかった一因だろう。