P編 「タイガー優勝。当然アイアンが一番大事でしょ」
PCM筒康博(以下、筒) 「別に意外じゃないですけど? 今回ZOZOでタイガーがPGAツアー最多勝に並んだじゃないですか。初日に9バーディを獲った時に【あるな!】と感じましたけど、その予感が現実になりました。だって、距離が短いから、ショートアイアンのスピンコントロールに優れたタイガーは無茶苦茶チャンスじゃないですか。林間コースで他の選手は苦しむと見てましたし…」
筆者 「筒さん、ズル過ぎ! 結果知った後から後出しジャンケンなんて卑怯ですよッ!」
そう言えば、今タイガーはテーラーメイド『P7TW』を使ってるけど、源流にあるのはアマチュア時代、特に大学の時に使っていたミズノ『MP-29』と『MP-14』だと思うけどなぁ〜〜。タイトリスト、ナイキ、テーラーメイドと、どのメーカーに移っても、タイガーの要望通りのアイアンを必ず形にしてくれるはずだしさ。
たしか『MP-14』は、名器『TN-87』のアメリカ版だと言われていたよね? 今回の『MP-20』は、アメリカのホームページにも『TN-87』の系譜と紹介されているし、その『TN-87』の形状のもとを辿るとベン・ホーガン『Personal』や『Precision』に行き着く。どこが源流かはもはや、時代的にどうでもいいことかもしれないけど……」
P編 「プロは皆アイアンが軸だよ。●●●選手も……」
その選手が言っていたのは、【契約金なんてどうでもいい。自分の技術やパフォーマンスを思い切り発揮できる完全自分仕様アイアンが欲しい。それさえあれば、試合で稼げるから、契約金の問題じゃない】とはっきり言ってた。【契約金なんかゼロでもいいから、自分のためだけにゼロからアイアンを作りたい】と……」
筆者 「!!! へぇ〜〜〜。で、誰ですか?」
筒 「言えないって言ったでしょ! ボクも彼の話を聞いて実感したんですが、ケプカ選手が世界ランク1位に上り詰めた理由とも繋がるなぁと。ケプカのために作られた『JPX900ツアー』や『JPX919ツアー』を手にしたなら、そりゃ遺憾なく技術や実力を発揮できるよなぁ……と。タイガーも同じですし、もっと言えば、昔からゴルフメーカーとプロゴルファーの関係ってそうだったんですから。マグレガー時代のジャック・ニクラウスもそうだし、ジャンボさんの全盛期のBSもそうでしたよ? 昔は強いプロモデルアイアンが当たり前でしたから」
P編 「なぜ選手やミズノが自分仕様を追求するか?」
P編 「例えが古過ぎる!とか言うなよ、長岡。タイガーがずっとオールドロフトを変えずに、スピンコントロール、つまり操作性を求めてきたのは知ってるよね? で、タイガーがナイキ時代に注入したブレードアイアンが気に入って廃盤になって在庫がなくて困った契約フリーのトミー・フリートウッド選手の例もある。どれほどPGAツアープロがアイアンに拘っているか。決して契約金の問題じゃないんだよ。それに、USミズノのジェフさんが【ソールが大事】と語っていた部分だってそうだろ? 微細な地面との接地、抜けをフィールしてしまう人たちなんだから、完全自分仕様が必要になるのは当然だろ?」
筆者 「確かに……。ジェフさんが、過去にルーク・ドナルドとの会話の中で、プロにとってどれほどソール形状が大事かと痛感したエピソードを話してました……。そして、ルークから得られたソールの知見が、連綿とケプカモデルの開発に活きて、現代のミズノのアイアンにも繋がっていると……」
君は、初速の出る現代技術の複合アイアンばかりにご執心みたいだけど、本質は今も昔もそんなに変わらない。思い描いた通りの球を打つには、自分仕様を突き詰めたアイアンと、練習量に勝るものはないだろう? 名前は伏せるけど、今回ZOZOであるPGAツアープロが話してくれたことがまさに、ゴルフの本質だと改めて思うね」
筆者 「う〜〜〜ん、そのプロが誰なのか?が超気になりますが、聞けて良かったです……。(今まで飛ぶドライバーにばかり力注いできて失敗……泣)」
Text/Mikiro Nagaoka