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松山英樹が、大幅なセッティング変更に踏み切った理由

text by kazuhiro koyama

配信日時:2016年7月13日 10時00分

松山英樹が、大幅なセッティング変更に踏み切った理由

2戦連続の予選落ちと不調の松山

松山英樹の様子がどうもおかしい。
 2月のフェニックスオープンで自身2勝目となるPGAツアーでの勝利をあげ、4月の「マスターズ」、5月の「プレーヤーズ選手権」では堂々の優勝争いを演じた。

 しかし、それからは一昨年、初優勝の舞台でもあった6月の「メモリアル・トーナメント」で予選落ち、最大の目標のひとつである「全米オープン」でもいいところなく予選落ちした。久しぶりの出場となった「WGC-ブリヂストン招待」も二日目に「79」を打ったが、最終日の盛り返しによって、なんとか42位タイで終了した。

 豪快なスイングが持ち味の松山だが、プレースタイルは比較的堅実でボギーが少ない。ボギーを打った後にすぐバーディーを取り返す、バウンスバック率も高い。爆発的なスコアを連発するわりに、大きなミスもでてしまうローリー・マキロイのような選手とは対照的に、非常に安定感があるのが松山の特徴だ。現に、「メモリアル・トーナメント」以前に予選落ちした試合はほとんどない。それが突然、2週連続の予選落ちとなると、なかなか穏やかではない。

 このところ、スコアを崩している直接の原因は、ショートゲームの不調だ。それに加え、多少、運のないところもあった。一方で、気になるのは、マスターズ以降に、アイアンを新しいモデルに変えていることである。
松山がプロ入り以前から愛用するのは、小ぶりでシャープな形状のマッスルバックアイアン。これまでモデルが変わっても、その基本的な形状は変わらなかった。ところが、新しく使っているのは、『スリクソン Z765』アイアンという最新モデルで、ソール幅がやや広いハーフキャビティのアイアン。アベレージゴルファーには少し歯ごたえがあるが、これまでのマッスルバックに比べると、かなりやさしいモデルだ。

 松山の強みは、正確なアイアンショットと高いパーオン率。マキロイやダスティン・ジョンソンほど飛距離が出るわけでもなく、ジョーダン・スピースのように驚異的なパットの名手というわけではない。精度の高いアイアンショットが、世界ランク上位の選手と戦う最大の武器だ。自分の一番の強みである武器を大きく変更するのだから、そのスイッチは簡単ではないと推測できる。

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