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「高反発✕高反発」が、新たな飛距離の可能性をもたらす。進化した”ルール不適合”、2代目『ゼウスインパクト』試打レポート

text by Kazuhiro Koyama/photo by Seichiro Tabata

配信日時:2019年4月1日 13時20分

飛距離への飽くなき欲求が、ルールからの逸脱を生んだ

2008年のルールの改正は、ドライバーがいかに進化していくのか、その方向性を決定づける分岐点になった。この10年余りのドライバーを振り返ってみると、改めてその影響の大きさを感じずにはいられない。

なんといっても、フェースの反発係数に規制がかかった。これ以降、ルール以上の反発性能を持つ高反発クラブは、ルール不適合になった。ヘッド体積は460cc、長さは48インチ、ヘッドの慣性モーメントは5900g・cm2と定められた。

この10年で、反発性能はルールの限界に近づき、ヘッド体積は460ccの範囲で慣性モーメントを大きくするため、多くのドライバーが投影面積の大きなシャローバックになり、外周にウェイトを配置した。

一方で、飛距離に飽くなき執着を持つゴルファーの中には、「自分にはルールは関係ない、とにかく飛ぶドライバーが欲しい」というニーズが少なからずあった。ルールの上限をオーバーした高反発ドライバーの登場は、そんな声に応えたものだった。

そして、ドライバーの反発規制を超えるなら、ボールだってルールの制限を超えてもいいはずだ、と考えるメーカーがあっても不思議ではない。ご存知のように、ゴルフボールには明確なボール初速の制限、そして一定条件下で飛びすぎてはならない飛距離の制限がある。そのルールを無視するなら、飛距離の源となるボール初速をまだまだ上げることが出来る。

こうして、高反発ドライバーと高反発ボールは多くのモデルが発売になり、中にはヒット作になるものも生まれた。何よりもそれらのギアは実際に違いがわかるほど飛んだのだ。競技志向ではなく、乾坤一擲のドライバーショットの快感を求めるゴルファーには、これ以上無い魅力を持っていた。
ここ数年の高反発ブームを大きく拡大させた立役者といえる、初代『ゼウスインパクト』

ここ数年の高反発ブームを大きく拡大させた立役者といえる、初代『ゼウスインパクト』

そんなルール不適合の高反発カテゴリーの中で、大きな存在感を持つのが、キャスコの『ゼウスインパクトだ』。2017年に発売された初代モデルは、高反発ドライバーと高反発ボールを組み合わせることで、さらなる飛距離を生むというコンセプトに確かな説得力があった。古くから、クラブだけでなくボールを自社製造しているキャスコらしいラインナップだったと言えそうだ。

そしてこの3月、満を持して発売されたのが2代目となる新たな『ゼウスインパクト』だ。

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