『M5』:ボール初速が速いのに打感が超柔らかい
ヘッドは460㎤の大型ですがコントロールがしやすく、シャフトもクセのない中調子。打感の柔らかさと相まって球筋の打ち分けができます。飛距離を伸ばしたいけど操作性もほしいという中〜上級者にピッタリの高機能ドライバーです。大型ヘッドだがフェースコントロールがしやすいので、ダウンスイングでタメを作り、リストターンを使うスイングにも対応できますね」(橋本)
M5は、M1のTトラックとは逆向きの「リバースTトラックシステム」を採用。2つの10gのウェイトを移動させることで、M3のYトラックよりも横方向の重心移動距離がアップした。新しいTトラックは重心移動距離が大きい分、もっとも変化が大きい4つのポジションで打つと、振り心地と弾道が大きく変化。
ドロー、フェードは打ち出しが左右に変わり、フロントはスピン量が抑えられて、かなりの低弾道になった。よって、ウェイトポジションは2つ同時に動かすよりも、1つはノーマルポジションに置いたまま、まずどちらか1つを動かすのがオススメだ。
橋本プロによる前作との違いはこうだ。「M1叩いても左に行かないタイプでシャフトもやや硬め。ツイストフェースを搭載したM3、M5よりも若干ミスヒットに弱い。M3とM5を比べると、スイートエリア拡大のおかげで、M5のほうが許容性が高いが、どちらも操作性が高くヘッドとシャフトの挙動も似ている。M5のほうがボール初速が速く、打感が柔らかい以外はそれほど大きな違いはないので、M3ユーザーは違和感なくM5に移行できると思います」
M5ドライバーには通常の460㎤のほかに、435㎤の「M5 TOURドライバー」もラインナップ。スピードインジェクションによる反発性能の高さはそのままに、重心距離が短くなって操作性の高さがアップ。ロフトは9度、フレックスはSのみで、10.5度とSRは受注生産になっている。
『M6』:ミスヒットに強いのに操れる。トータルバランスの高さがトップレベル
また、適度なスピンがかかって安定してキャリーが出せるし、深重心でヘッドの動きをコントロールがしやすいのも特長。抜群の飛びと方向性に操作性が備わった、トータルバランスの高いクラブで、アベレージからアスリートまで幅広いゴルファーが使えます。見た目以上にヘッドの動きがナチュラルで、極端にリストターンを使うスイング以外は幅広いスイングに対応できます」(橋本)
『M6』には「イナーシャ・ジェネレーター」と呼ばれるクラウンとソールのカーボンの面積を拡大した余剰重量を使い、46gのウェイトを低くて深い位置に配置。過去最大級のスイートエリアの広さと深・低重心設計を実現した。それによってミスに強くなっているのが売りとのこと。そこで、打点ブレにいかに強いか?をテストすることに。
元々テーラーメイドのクラブは、膨大な数のショットを解析した結果、アマチュアの打点が集まるセンター、トゥ上、ヒール下の方向にスイートエリアを広げてきた。しかし『M6』はこれまでよりもスイートエリアが66%広がったおかげで、これまで飛距離がロスや曲がり幅が大きかったトゥ下、ヒール上の打点でも大きなミスにならず、安定してボールを運べることがわかった。
スイートエリアの広さが特長の3モデル。ヘッドの投影面積がもっとも大きいM2は、つかまりがよく球筋はストレート〜ドロー。逆にM4はつかまりすぎず、叩いても左に行かないタイプで、M6はストレートボールを中心に、ある程度球筋を打ち分けることができる。また、ヘッドの動きがもっともオートマチックなのがM2。新しくなるほど打感が柔らかくなり、コントロール性が高くなっている。
今度はM6のみ女性用(ロフト12度)をラインナップ。こちらもスピードインジェクションやツイストフェースを搭載。シャフトは男性用よりも約10g軽い「FUBUKU TM4 2019」で、軽すぎず女性アスリートも満足できる仕上がりになっている。
取材・文/苔縄和裕