「ゴルフ日本シリーズJTカップ」の練習日、佐藤大平が珍しいパターを手にしている姿を発見。その詳細をレポートしたい。
佐藤が使用していたのは「クラフツマン(職人)」と呼ばれるスコッティ・キャメロンのパター。松山英樹が2024年に使用して話題となったモデルだ。一体どこが優れているのだろうか。
「難しそうに見えるだけで、実は全然難しくないんです。ソールが本来は削られていてトウ・ヒールに重量が分散されているので左右のミスヒットに強い。打感はかなり柔らかく、ほかのキャメロンタイプとは違います。ボールのコロがりも良く、イメージ通りのタッチが出せるんです」(佐藤)
通常はソールを削ったままだが、このモデルは樹脂で埋めてある仕様だ。ソールに施された溝は、「ブレットソール」と呼ばれ、ブレット=bullet(弾丸)の名のとおり、弾丸が貫いたような形状が特徴だ。
タイトリストのツアー担当者は、この特徴について次のように説明する。
「ソールにラインが入ったハンドクラフトモデルです。弾丸が通過したようなデザインには意味があり、スペースを設けて4隅に重量を配分することでスイートスポットが広がり、ブレード型でも扱いやすくなっています。見た目はクラシカルですが、やさしいですよ。松山プロのモデルはソールを削っていましたが、軽い素材で埋めて仕上げています」(タイトリスト・ツアー担当)
ソールの溝を樹脂で埋めた理由を佐藤が教えてくれた。「ソールが削れた形状だと、ソールでグリーンをトントンと整えられないんです(笑)。なので、別の素材で埋めてもらいました」(佐藤)。
このパター自体は2024年のこの大会で受け取っていたが、修正を依頼し、今年の「JTカップ」でようやく完成したもの。ただし、この希少なパターは“お気に入りのストック”として保管しておくもので、実戦投入はしなかったという。
それほどまでにプロを虜にする打感とはどんなものなのか。気になるばかりだ。
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