一方、同じツアーモデルの『RZN プラチナム』はさらにソフトなフィーリングになっていました。ドライバーで打ってみると、インパクトの瞬間にアウターカバーの適度な硬さを感じた後は、軟らかいコアがしっかりつぶれていきます。『RZN ブラック』と比較すると、ボールがつぶれていく感触は似ていますが、ボールの内部のコアの軟らかさに違いがあるようです。ちなみに弾道は『RZN プラチナム』の方がやや高くなりました。
アイアンショットで試してみると、『RZN ブラック』が強い中弾道、『RZN プラチナム』が高めの弾道になりました。ドライバーにおける弾道の違いと共通しています。また、アプローチでは軟らかさの分、『RZN プラチナム』の方がフェースに食いついてスピンがかかりやすくなりますが、一方で『RZN ブラック』のスピン性能も十分ハイレベル。いずれのモデルも高い飛距離性能とアプローチスピン性能がきっちりと両立されています。ボールを選択する際には、性能で選ぶのも良いですが、好みの感触で選ぶのもありだと思います。
続いて、ディスタンスモデルの2機種『RZN ホワイト』『RZN レッド』を試打しました。まず、ドライバーでインパクトしてみると、いずれもボールの高い反発力を感じました。しかし、意外だったのはどちらの打感もソフトなフィーリングだったことです。アイオノマーカバーのディスタンスモデルというと硬い感触になるイメージが強いですが、ツアーモデル2機種と比較しても遜色ないフィーリングを備えているようです。
そして、弾道はツアーモデル2機種と比較するとやや高めになりました。初速の速さとボールの上げやすさで飛距離を稼ぐボールだと思います。ただし、注意点が1つだけ。メーカーの説明ではこの2機種の対象となるプレーヤーについて、「HS45m/s以下」とありますが、実際、HS49〜50m/sの私が打つと、スピンが多めにかかってしまいます。その分、飛距離をロスしてしまいますので、HSの速いパワーのあるゴルファーにはツアーモデル2機種のいずれかがおススメです。
とはいえ、『RZN ホワイト』『RZN レッド』の恩恵を受けるゴルファーは非常に多いと思います。プレミアムディスタンスと紹介されているだけあり、パワーがなくても飛距離を出しやすいボールになっていますし、それでいて、ツアーモデルに匹敵するフィーリング性能や十分なアプローチスピン性能が備わっています。ディスタンスモデルと考えるよりは、飛距離に特化したツアーボールと解釈しても良いかもしれません。それほど完成度の高いボールになっています。
今回試打を重ねる中で、4機種に共通して感じたことはボールの方向安定性の高さでした。番手に関わらずインパクトしてみると、ボールが均一につぶれていく感触がありましたが、これがミスに対する強さにつながっています。実際、スイングミスをした場合でもボールの曲がりが非常に少なくなりました。この安定性の高さこそ「RZN」シリーズが持つ最大のメリットと言ってよいでしょう。
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