『HONMA TOUR WORLD TW-W』は同社契約のツアープロがトーナメントで優勝するために開発されたウェッジです。「かお」をはじめとして抜けやスピン性能などツアープロのこだわりとニーズに応えるウェッジに仕上がっています。今回は50度、52度、56度、58度の4タイプが用意され、通常装備がダイナミックゴールドS200、それ以外のシャフトはオーダーによる対応になります。もちろん新溝ルール適応モデルになっています。
今回発表された『HONMA TOUR WORLD TW-W』ですが、実は以前酒田工場を見学した際に試打させていただきました。発売に先立って、今回は番外編ということで新作ウェッジを実際に芝の上から打ったインプレッションを掲載したいと思います。
まずは見た目から。特徴的なのはフェースのスコアラインのみブラスト加工を施していることです。これはフェース面を大きく見せ、またフェースを開く場合でも方向を合わせやすくなるなど視覚的な面で大きな効果があります。また視覚的な効果以外でも、こまめに手入れをしないとサビが目立ってしまうノーメッキのウェッジと比べて、耐久性が高くなることと手入れが楽になるというメリットがあります。それでいてフェース面はブラスト仕上げのノーメッキですので、スピン性能は遜色ありません。こういった加工ができるのは自社工場を持つ本間ゴルフならではだと思いました。
ソール面については平らに設計することで地面を滑りやすく、フェースにボールが乗りやすくなっています。これにより、スピンの効いた低い出球のボールを打つことができるようです。またロフト56度、58度のモデルではトゥ・ヒールを落としたソール形状にすることであらゆるライで抜群の振り抜き性能とスピン性能を実現しています。
シャフトはダイナミックゴールドS200。ロフトは58度の2モデルを試打します。それでは早速打ってみましょう。
まずクラブを握ってみると、ヘッドが効いてほど良い重量感がありました。バランスについては50度、52度でD2、56度、58度でD3に設定されているようです。最初はフェースをスクエアにした通常のアドレスで打ってみます。ここで感じたのは近いアプローチからハーフスイング、フルスイングに至るあらゆるスイングで非常にラインが出しやすいことでした。
「かお」の良さによる構えやすさもありますが、それ以上に重要なのはソール形状でしょう。インパクトの瞬間、クラブはスムーズに抜けるのですが、その中で地面にほど良く接地している感覚がありました。ただ抜けが良いだけのウェッジはすっぽ抜ける感覚になり、ラインが出しにくい印象を受けることが多いですが、このウェッジは抜けと接地感のバランスが良いので非常にライン出しのイメージが湧きます。ウェッジは積極的にピンを狙うクラブですので、このラインの出しやすさは大きな武器になります。
また驚いたのはフェースを開くと抜けの良さが飛躍的に増すことです。スクエアに構えてスイングした状態では開いて使用するのは難しいかもと感じましたが、このウェッジはフェースを極端に開いたロブショットも非常に打ちやすくなっています。またフェースにしっかりボールが乗ってくれるのでスピンの効かせやすいことも大きな特徴です。
総評すると、あらゆる球種のアプローチがやさしく打ち分けられるウェッジだと言えます。フルスイングでピンを狙うショットから極端なロブショットなど様々な場面で力を発揮してくれます。熱意ゴルファーも納得の高い完成度を誇るウェッジだと言えます。