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まさかの転倒も…ケガの功名で8位浮上の稲垣那奈子 「階段の上り下りに気をつけて、頑張ります」

早大卒の稲垣那奈子が5つ伸ばし、順位を上げて最終日に向かう。初日にはとんでもない事故に遭っていた…

所属 ライター
臼杵孝志 / Takashi Usuki

配信日時:2024年9月26日 17時10分

<Sky レディースABC杯 3日目◇26日◇ABCゴルフ倶楽部(兵庫県)◇6645ヤード・パー72>

左足首をテーピングで固めている“手負い”の稲垣那奈子が7バーディ・2ボギーの「67」で回り、トータル7アンダーで24位から8位にジャンプアップした。猛暑で溜まった疲れがどっと出て、秋口に体調を崩すのが本来の意味の「夏バテ」だが、長いシーズンを初めて戦うルーキーにとっては、まさに要注意の時期。2度目の挑戦で昨年のプロテストに合格した24歳は、そんな“トラップ”にはまって普段だったら防げたかもしれないケガをしてしまった。

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大会初日のスタート1時間ほど前に階段から転げ落ちた。クラブハウスの外階段から下に降りようとしたときだった。「踏み外して、大ゴケしました。誰にも見られなかったけど、チョー恥ずかしかった。いつもなら踏みとどまれたと思うけど、スパイクのワイヤーに片方のスパイクが絡まった状態になってしまって」。左足首に痛みを抱えての初日は「71」とスコアは踏ん張り、ラウンド後に病院でレントゲン検査を受けた。

「骨は折れていなかったけど、元々あった有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)という箇所がほかの骨と当たって、痛みが出ているらしいです。要は骨の打撲みたいな感じです」

8月下旬のレギュラーツアー「ゴルフ5レディス」から「ソニー 日本女子プロ選手権」、その翌週はステップ・アップ・ツアーの「山陽新聞レディースカップ」に出場。「結構ハードな日程が続いていたので、山陽新聞のときはかなり疲れていて、疲労困ぱいでした。これってあまり良くないよなぁ、と思っていたんです」。

そこから体のケアには気をつけていたが、まさかの転倒。今週は量より質、練習より休養を最優先してラウンド後の練習はなし。「いつもはラウンド後もショット練習をするけど、まだ足が痛いので無理。でも、これが意外と良くて、コンディション的にはいい状態です。休むことも大事なんだと思いました」。

ポイントで争うレギュラーツアーと違って、ステップは賞金ランキングでシーズンを争う。その明治安田ステップ・ランキングは現在、531万6857円で11位。来季の出場優先順位を決める予選会(QT)には、同ランキング10位以内に入れば1次が免除されて最終からとなる。「そこが最低ラインの目標。さらに同ランキング2位以内には来季のレギュラーツアー前半戦の出場資格が与えられる。

ランキング1位との差は約762万円で、2位とは約500万円差。「上の2人は走っているけど、最後まであきらめずにやりたいです」。今週は賞金総額4000万円のステップ最高額大会。ケガの功名で元気を取り戻したルーキーは「階段の上り下りに気をつけて、明日も伸ばしたい」と笑顔で締めた。(文・臼杵孝志)

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