<ベイカレントクラシック 3日目◇10日◇横浜CC(神奈川県)◇7322ヤード・パー71>
「マスターズ」での勝利を含む米ツアー通算14勝を誇るアダム・スコット(オーストラリア)が、優勝争いに浮上した。首位と1打差のトータル12アンダー・4位タイから、2020年の「ジェネシス招待」以来となるツアー通算15勝目を狙う。
13位から出たこの日は、2イーグル・3バーディ・1ボギーの「65」をマーク。9番パー4では、残り93ヤードの2打目をカップに沈め、この日2つ目のイーグルを奪った。
「少し打ち下ろしだったが、ややアゲンストの風が吹いていたので、93ヤード通りの計算になるショットだと感じた。キャディのジョンに(ショットのイメージとして)『ピンの1歩左に落として、そこからカップに向かってスピンで戻す』と伝えたが、まさにその通りのショットになったよ」と有言実行。この一打を「大きなボーナス」と表現し、「あれがあったおかげで、きょうの素晴らしいスコアにつながった」と1日を振り返る。
後半はチャンスにつけながらも、決め切れないパットもあった。「終盤の上がり数ホールでいくつかパットを決めていれば最高だったとは思うが、まあ、ゴルフとはそういうもの。『65』を出しておいて、文句を言うわけにはいかない」とし、納得のいく一日を終えて満足感が漂う。
スコットは日本のファンからも人気が高く、会場ではサインを求める列が絶えない。プレー中にも「アダム頑張れー!」と声援が飛ぶ場面も多い。一方、大会開幕前には「自分の経歴に日本での勝利がまだない」と話すとおり、「日本オープン」にも出場してきたが、日本ではまだ優勝経験がない。
「何年にもわたって日本に来ていて、いつも素晴らしい応援をいただいている。だから毎回来るのが楽しい一週間だが、私は長い間、自分を『世界中を転戦するグローバルなプレーヤー』だと自負し、世界各地で勝つことに誇りを持ってきた。そのなかで、日本での勝利だけが確かに欠けているピース。だから、あした勝てたら本当に大きな意味を持つ」と力を込める。
日本で優勝カップを掲げるため、最終日は序盤から攻める構えだ。「フロントナインではスタートダッシュを決めたい。最初の6ホールのうちにパー5が2つあるから大きなチャンス。どんなコンディションであれ、少なくとも最初の6ホールを終えた段階で2アンダー程度にして、そこからスコアを組み立てていきたい。風速自体は弱くても、午後の時間帯に微妙に向きが変わっているように見えるから、細心の注意を払う必要がある」と戦略を明かした。
「正直に言うと、今の自分にとってはどんな試合であれ勝てればうれしい。最後に勝ってから約6年も経っているからね。それには悔しさを感じている」と、6年半ぶりの優勝にはどん欲だ。
何度も優勝戦線に顔を出しては、跳ね返されてきた。「いいゴルフができている時期もあったのに、それを結果に結びつけきれずにきた」とフラストレーションも抱えている。一方で、「ただそれは、今のPGAツアーで勝つことがいかに難しいかを示してもいる」と、世界最高峰の舞台で勝利をつかむ難しさも感じている。
「だから、明日は自分にとって絶好のチャンス。素晴らしいラウンドをして、だれよりもいいスコアを出せればと願っている。素晴らしい一日にしたい」。日本での初優勝と、6年半ぶりの米ツアー通算15勝目。その両方をかけ、最終日に挑む。(文・高木彩音)
