世界4大メジャーで唯一同じコースで行われる「マスターズ」。その舞台となるオーガスタ・ナショナルGCを初取材した記者が、その魅力をお届けする。
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人生で初めて、オーガスタの会場に足を踏み入れた。これまではテレビ中継で見てきた憧れの舞台。実際に目の前にすると、言葉で表せないほどの美しい景色と、まるで別世界に迷い込んだかのような空気に圧倒された。
会場周辺から徹底されたセキュリティを抜け、まず驚いたのはメディア専用施設の『プレスビルディング』だ。白を基調とした建物の中は、高級ホテルのような空間が広がる。1階にはフロントやカメラマンルーム、大会資料が整然と並ぶ部屋があり、機能性と洗練が共存している。
さらに2階には、メディア向けのレストランと軽食コーナーが設けられている。しかも、これらはすべて無料だ。エビのシーザーサラダにクラムチャウダー、スパイスの効いたチキン、スモークサーモンのベーグルなど。どれもクオリティが高く、思わず一日で何度も足を運びたくなる。
軽食コーナーには複数の種類のサンドウィッチやドリンクが並ぶ。コーヒーや紅茶、コーラ、レモネードなどが飲み放題となっており、食事に困ることはまずない。取材の合間にほっと一息つける環境が整っている。
そして午後5時になると、2021年から登場したビール「クロウズネスト(Crow's Nest)」が提供される。まだ味わえてはいないが、現地の米国メディアは「とてもおいしい」と太鼓判。グリーンカップを片手に観戦するパトロンたちの姿も印象的で、この大会ならではの文化を感じさせる。
さらに驚いたのは、メディアルームの広さと快適さだ。作業スペースはゆとりがあり、各席には小型モニターが備え付けられ、中継やリーダーボードをリアルタイムで確認できる。広いテーブルに座り心地のいい椅子は、長時間の取材でもストレスを感じさせない環境を整えてくれている。
コースの美しさや大会の格式はもちろんだが、メディアへの細やかな配慮もまた“世界最高峰”。その一端に触れ、マスターズという舞台の奥深さを実感した。(文・高木彩音)
