その「問題のパット」にクロウグリップで挑んだ今週のシェフラーは、次々にバーディパットを沈め、とりわけ最終日は9バーディ・ボギーなしで「63」をマーク。2位のトム・キム(米国)に6打差をつけて圧勝し、大会史上3人目の連覇達成となった。
「とても満足だ。安定したラウンドができたし、去年に続き、今年も優勝することができた。4日間72ホールでボギーを2つにおさえられたことにも満足している。来季も安定したゴルフを続けたい」
ショートパットとミドルパットをクロウグリップで沈められるようになった今、もはやシェフラーに弱点は見当たらない。それは他選手たちにとって最大の脅威になったと言っても過言ではない。
柔和な物腰で、あまりガッツポーズも取らず、淡々とプレーするシェフラーは、険しい表情、派手なガッツポーズでゴルフ界に君臨してきたウッズとはタイプが異なる王者だが、今ではウッズを凌ぐ成績を収めそうな気配さえ感じられる。
そして年間7勝を挙げ、年間王者タイトルと金メダルを獲得しても、それでも試行錯誤を重ねて向上を図る謙虚さは、シェフラーの何よりの強みである。
多くのビッグネームが去り、少々さびしくなっている現在のPGAツアーを盛り立てていける筆頭がシェフラーであることは、もはや疑いようもない。黙々と戦う“静かな王者”の一層の活躍を祈るばかりだ。
文/舩越園子(ゴルフジャーナリスト)
