<ファーマーズ・インシュランス・オープン 2日目◇26日◇トリーパインズGC (米カリフォルニア州)◇サウスC 7765ヤード・パー72、ノースC 7258ヤード・パー72>
初日に2オーバー・128位タイと大きく出遅れていた蝉川泰果が、意地を見せた。「きのうを考えると(予選通過は)無理かな、と思ってました」と少しばかりの不安を抱えたなか、ノースコースを回った2日目は2イーグル・2ボギーの「70」でプレー。トータルイーブンに戻し、カットラインの54位タイで決勝ラウンド進出を決めた。
スタートの10番パー5。残り16ヤードのアプローチでいきなりチップインイーグルを奪った。それでも「経験したことないくらいの風だったけど、出だしからイーグルがきた。きょうはもう少し行けそうな気がしたんだけど…」と流れに乗りきれず、ガマンを重ねながらも、後半4番までに2つのボギーを叩いた。
諦めはしなかった。「後半残り5ホールでなんとか2つ獲りたい」と思ったところでチャンスは訪れた。5番パー5で残り200ヤードから左風にのせて2オンに成功すると、ショートサイドの横3メートルにつけて、2つ目のイーグル奪取。「本当に大きかった」と、まさに値千金だった。
先週の「ザ・アメリカンエキスプレス」では予選3日目に「66」をマークしながらも、予選落ちを喫した。「アメックスではちょっと苦かったので…。よかったです」とまずはリベンジを果たした形だが、米国ツアー屈指の難コースを舞台にしている今大会は、まだまだ不安要素のほうが大きい。
“飛んで曲がらない”ドライバーを武器にしている蝉川だが、初日からショットに苦戦。「距離感というより引っかけたりダフったり…。初歩的な部分が全然ダメだった」と話した初日だが、2日目も「どこに行くか分からないし、レイアップするにもラフからラフに入れてしまう。その辺がうまく噛み合ってプレーしたいなと思うけど、なかなか戻ってこない」と感覚をつかみ切れなかった。
2日目は比較的スコアが出やすいノースコースともあって、初日に比べてフェアウェイキープ率は57.14%→64.29%、パーオン率は38.89%→66.67%に伸ばしたが、決勝ラウンドは初日にプレーしたサウスコースを回るだけに、ショットの調整は急務となりそうだ。
それでも、米ツアーで2度目の予選通過を果たした。あとは上を見るだけ。「ちょっとでも気を抜くとサウスは本当に難しい。思い切ってプレーすることと、ひとつでもボギーを少なく回りたい」と、残り2日間で攻略にかかる。
